ゾルディック家でご飯をご馳走になった。
イルミの父さんとじいさんはばりばり面識あったからか、なんでいるんだコイツ…という顔をして「なんでいるんだ」と言ってきた。私もわからん。
わからんから私はとりあえず笑って「お邪魔してます」と言っておいた。

イルミの弟二人(?)はなんというか、個性的だった。
丸い方は何だこいつといいたげにこっちを見てきたが、すぐに
切り替えてがつがつとご飯を食べ始めた。実にいい食べっぷりだ。名前はミルキというらしい。何か可愛い。
そしてもう一人、カルトと呼ばれたどう見ても幼女にしか見えない子は
今現在もじっと私を睨むように見てくる。急にお邪魔したから怒ってるのかもしれない。今度お菓子の詰め合わせでも贈ろう…

さて、問題はイルミの母さんだ。
彼女は私が旅団の団長だとわかると、徐ろに謎の小瓶を取り出して
私の前の料理に中身全てをかけ、満足そうに微笑んだ。だから私も微笑み返して、
スパイスのかけられた目の前の料理をいただいたのだが。

それはいつしか流星街で食べた有害物より、もっとひどい味がしました。



「まさか料理に毒を盛られるとは…」

「あの量食べてなんで死んでないの?」

「いやぁでも美味しかった。毒の入ってないやつは」

「入ってないやつなんてないけど」

「えっ…そうなのか」


ゾルディック家ってほんと大変だな…
毒なんて美味しくないのにいちいち料理に入れて毎日食べるとか…
そういって、私慣れてないけど大丈夫かな、とお腹をおさえると
イルミに解毒剤らしきものをもらった。何だか一気に不安になった。


「で、クロロ泊まってくの?」

「毒死…ん?」

「泊まるなら空いてる部屋案内するけど」

「………」

「…………」

「…ん?泊まっていいのか?」

「いいよ」


イルミはどうでも良さげに頷いた。
…え、いいの?お泊りとかこの歳になるまでなかったのに
この前もクラピカとお泊りしたし私ちょっと友達多くないか?えっ…嬉しい、嬉しい、


「嬉しい!!」

「しずかにして」

「ごめんなさい」

「じゃあついてきて。案内するから」

「えーいいよ。イルミのベッド広いしせっかくだから雑魚寝しよう雑魚寝」

「…雑魚寝?」


首をかしげるイルミ。
デジャヴだ。前にもこんなことあったぞ。
皆知らないのか。ぜいたくだなーいや、私が贅沢なのか。
雑魚寝する家族もいたんだから。もう覚えてないけど。


「じゃあせっかくだし、ただの雑魚寝じゃなくて修学旅行ごっこしよう」

「なにそれ…つまらなそうだね」

「おいそんなはっきり言うな」

「で?なにするのそれ」

「風呂にみんなで入ったり、布団敷いて集まって寝たりあと…トランプかな!」

「…ヒソカ?」

「やめろ縁起でもない」


ヒソカといえば、あいつどうなったんだろう。
死ぬまでいかなくていいけど…懲りるくらいはしてくれないかなぁ…
思い出して気分が鬱になりかけたが、慌てて持ち直す。そんなことは今は置いておいて、
イルミに修学旅行を理解してもらわねば。


「他にはね…」

「うん」

「トランプじゃなくてUNOでも可!!」

「とりあえず風呂でも入れば?」


(寝る前くらいしか記憶にないなんてかっこつかない)
140606



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