「へえ、クラピカネオンさんと仲いいのか。これは恋の予感か?」

「は?」

「ではないんですねすみません早とちりして」


こんな感じでその日はそれはもう幸せなボーイズトークを楽しみました。


***


「鎖野郎といたでしょ」


次の日アジトに帰ると、やっぱり
プンスコしたシャル君が入口を塞いできた。
予想はしていた。め、めんどくさい…束縛つよくない?気のせいじゃないよね?


「というか…なんでしってるんだ」

「なにもされてない?」

「いや、されてないけど…」


するわけないだろ、クラピカは優しいんだぞ。
そしてなんで私がクラピカといたって知ってるんだ。


「ほんとに?てかなんでこんなおそいの、」

「シャルに関係ないだろ、それに俺は26歳だぞ?子供じゃないんだぞ?」

「俺は…ほんとに心配したんだよ?」

「…いや、まぁ…それは、悪かったな」


あれ…なんで…私悪いことしたみたいになってるんだ…?
さみしげに見つめてくる大きなエメラルドグリーンの瞳に、罪の意識を掻き立てられる。
他の団員もこっちをチラチラ見てくるし…私のした事ってそんなに悪いことだったのかな…


「今度という今度は許さないから。無断外泊して朝帰りだなんて…」

「……悪かった、どうしたら許してくれる?」


何だか悪いことをしたと一瞬思ってしまい、思わずそう言ってしまった瞬間にシャルがわらった。

しまった。


「うーんそうだなー…じゃあ仕事以外で外出禁止ってことで!」

「え!?」

「ん?」

「いや、ちょっとまて。一旦落ち着こう、な?俺そんな悪いことしたかなぁ」

「悪かったって団長自分で言っただろ」


真顔でそう言ってきたシャル。えっ…こわ!!!
ただならぬ雰囲気。危険だ、こいつ。逃げるか。外禁なんてごめんだ。クラピカとまたお泊りしようねッて約束したし!!
入口を塞がれているので、シャルをよそ見させれば私は逃げられる。そもそもなんで帰ってきちゃったんだっけ。
ああ、私ここの団長だから。しかし今はそんなことは関係ないだろう。私の人権がかかってるんだ。


「………あっ!!」

「は?」

「い、いや…UFOが…」

「言っておくけど、俺の背後は室内だから」


そう言って振り返りアジト内を指さしたシャル。
は?って真顔で見られたときはだめかと思ったけど、案外コイツも馬鹿だ。


「じゃあなシャル!」


スキをついて瞬時に踵をかえし、
走り去ろうとした時、何かにぶつかった。


「おぶっ!!」


そんな声をあげて、何事かと頭を上げると…


「団長が朝帰りって聞いて◆」


▼へんたいがあらわれた!


「うわぁあああああ」

「珍しいじゃないか、少なくとも僕は始めてみたよ◆団長の朝帰り」

「関係ないよヒソカには」

「クラピカと何してたんだい?ずるいじゃないか僕を差し置いて◆」


そう言ってシュッとトランプを出して舌なめずりをしたへんたい、もといヒソカ。いや、別にクラピカと戦闘なんてしてないから!お前の望んでいるものとはちがうから!
どいてどいて、と左右にカニ歩きしてみるが、その度に行く手を塞がれ地団駄を踏みたくなった。そんなことをしていたら当然背後のシャル様に腕を掴まれるわけで。


「ちょっと、ヒソカ。団長から離れてよ。今俺が大事な話をしてるんだから」

「今度は僕も混ぜてよ」

「絶対嫌だ……」


ヒソカの手がこちらに伸びてくる。
ぎゃああ、と泣きそうになっているとヒソカの手が触れる寸前にシャルにぐっと手を引かれた。


「おい、聞いてる?フェイタン、フィンクス!ちょっとこっちきてー!」


助かった…!とか思ってシャルに感謝したのも束の間。私の腕をしっかり掴んだまま、シャルはわざわざ喧嘩っ早い二人を召喚した。
これは…面倒な事になってきた。


「……、!?ヒソカ何してるか、」

「あ?なんだ……おい、てめぇ団長に何してやがる」


ずかずかとやってくる二人にトランプをぺらぺらしながら構えるヒソカ。喧嘩はやめて!
言おうとしたらシャルが「これでよし」とか満足そうに頷きながら私ににこりと笑いかけた。


「団長が理解できないなら鎖野郎の危険性について説教するからきてよ」

「クラピカはいい奴だって言ってるだろ」

「うんうん。まぁ一時間もしたら考え変わるから。」

「いや、変わらな………、」


その時、私はみてしまった。
シャルの手元に、アンテナがちゃっかり存在しているのを。


「ひいっ…おまえまたそれ…!もうほんとやだぁぁあ!!!」

「あっ!!」


シャルの手を振り払い、走り出したところで足をなにかに掴まれた。フィンクス達に殴られたヒソカだ。
巫山戯た笑顔でにっこりと「いってらっしゃい、次帰ってきたらはぼくともやろう◆」と手を振ってきたヒソカが本気で不気味で泣きそうになった。


「え、遠慮す、る…!離せ」

「おい団長に触るな」どかっ

「痛いな…◆今は君たちとやりあう気はないんだけど◆」


ヒソカが手を離した瞬間に抜け出し、私は再び走った。後ろでシャルが何か言っているが知るか!!
家出してやるぅぅう朝帰り上等だ!!!


140127


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