こうして泣きながら家(アジト)を出たクロロ26歳独身。
迷惑だとは思ったが、光の速さでクラピカに連絡を取った。
そしたらクラピカはすぐに駆けつけてくれて、涙目の私を発見するとどうした?とハンカチを出してくれた。
から、光の速さで抱きついた。


「助けてクラピカ!シャル恐い!!ヒソカキモス!きもい!!」

「何だか良く分からないが…大変な目にあったみたいだな」

「もういやだ、いつもそうなんだ、いや、最近もっとひどいんだ…!」


泣きつく私の背中をぽんぽんとゆっくり叩くクラピカに更に泣きそうになる。
ほんとにごめんよクラピカいつも迷惑かけちゃって…!お仕事は大丈夫ですか、と小さく聞くと
休憩中だ、とやさしい声でかえってきた。もうだめだ。クラピカ最近ますますいけめんすぎつらい。私もこんないけめんになりたい畜生。


ぴぴっかしゃ


「……ん?」


突然の不自然な音とともに
私の目に入り込んでくるフラッシュ。
何事かとおもい其方の方をみてみると。

カメラを持ったイルミが「あ」と小さくつぶやいてこちらに手を振っているのが見えた。
ばっと立ち上がって無表情なイルミにずかずかと近づく。


「……イルミ今何した」

「写真を撮った」

「誰の?」

「お前のだよ。フラッシュ見えなかったの?大丈夫?」


小馬鹿にしたように目を細めたイルミに色々言い返してやりたかったが、今はそんなことより大事なことがある。
いつも私からちょっかいかけないと眼中にも入れてくれないマイフレンドイルミ…あ、もう友達じゃないんだった…
まぁ、そんなイルミが何故私の写真を撮ったのか。それが大きな問題である。


「で、何故だ。何故撮った」

「頼まれたんだ、仕事だよ」

「!?誰だそんな事頼むやつ…ま、まさかシャルが状況証拠もってこいとか言ったのか…!?」

「あれ?なんだ、話は通ってたの。そうだよ、頼まれた。協力してよね。はいちーず」


ぴぴっかしゃ


「ちょ、ほんとやめてくれ泣きそ…ってクラピカ何ピースしてるの!」

「ああいや…写真はあまり好きではないが、たまには思い出に良いのではと」

「くっクラピカぁぁ!うん、いっぱい思い出作ろう!写真もとろう!私クラピカアルバム作るよ!」

「ほらもっと寄って」


ぴぴっかしゃ


「でもシャルに報告されるのは困る!外禁になっちゃう!それよこせ!」

「んー、まぁこんな物か。じゃあねクロロ」


私がカメラに手を伸ばした瞬間にざっと消えたイルミ。
速い、速すぎるこういう所があるからゾルディック嫌!
それでも私も盗賊の長であることを忘れてもらっては困る。本気出せばイルミにだって余裕で追いつけちゃうから!!


「悪いくらぴか俺追わなきゃだからまたな!!」


私から呼び出したのにほんとに申し訳ないよつらいでもこのままだといろいろ良くないよ
最悪クラピカのところにシャルが行っちゃうよそれもかなり迷惑だもの!!
今度何か奢ろうと心に決め、私は駆け出した。今の私なら絶対イルミに追いつける。本気だから。





「……ほんとうに忙しい奴だな…」


取り残されたクラピカは呟くと、
何気なくピースを作った自分の手を見て、少しだけ笑った。


140227


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