>> 【クロロ成り】次の仕事の話
【次の仕事の話】


「…というわけで、つぎの仕事は植木のボランティアだ!皆、地球の為にがんばろう!」


フェイタンと約束した通り、間もなくみんなを集合させ
声高らかに次の仕事内容を発表した。これでフェイタンも大喜びだろう。
私もこの仕事なら楽しく出来そうだと思い、満足感でいっぱいだった。

が、

フェイタンと目があった瞬間私は固まった。
いや、だってあれ、あれだよ…目をあわせると石になっちゃうあれだよ…
目がカッてひかってたよ。そして今もこっちにビシバシ殺気をとばしてくる。


「ちょ…フェイタンその目やめて、いたい…」

「あの、団長…あたし帰っていいかい…?」


マチが絶望したような面持ちでがくぶるしながら言った。
見渡してみると、他のやつらもショックを受けたようにげっそりしている。
フェイタンは無言の殺気を延々ととばしてきていた。し、しつこい上に地味だな…
しかし私が満足感に浸ってる間に一体何があったお前ら…


「いっこ前の仕事はあんなに派手だったのに…」

「なにこの差…」

「あれでギャップのつもりかな…全然もえないんだけど」


ぼそぼそと心の声を吐露させてくる団員たち。
お、お前ら、木がどれだけ俺たちの生活を支えているか
知っていてそんなことほざくのか…!?


「だから企画は俺に任せた方がいいって言ったのにね…」


どさくさにまぎれて携帯中毒者が何か言った。誰が任せるか!
そしてフェイタンは殺気とばすのやめてくれ。いつからそんな怖い子になったんだ…
お母さんかなしいよ……!


「そんなつまんねぇことやりたくねーよ!!」

「そうだそうだ!!」

「Boooooo!!」


みんなぼそぼそ攻撃だったのに
素直すぎる強化系コンビが堂々とブーイングをとばしてくる。
いや、なんかしょぼいけど…

ていうかこいつら団長命令絶対ってルールをもろ破っていやがる。
どうなってるんだこのシステムは。


「前回が可笑しかったんだ、今回が正しいんだ。皆、木がどれだけ俺たちの生活を…」

「そんなのしるか!俺たちは盗賊だぜ!?」

「団長ー前回みたいなのにしようよー!」

「ちょ、木はだな…」


みんなのクレームの対処をしていると
遠くのほうでシャルが得意気な顔をしているのが見えた。
また、お前は………!!


「まぁまぁみんな、ここは揉めたらコイン、じゃない?」


シャルが実にムカつく口調でみんなを諭す。いや、ほんとにムカつくな…!!
しかしそれが一番いい方法だと思い、仕方なくコインを取り出しコイントスをした。みんなが表、私が裏。
何かちょっとだけドキドキしながら手をどける。


「…あ、裏だ。よし、みんな植木のボランティアを…」

「………」

「…団長イカサマした?」

「いやしてないよ?!なんてこというんだ」


私がそう言ってもみんなは顔を見合わせる。
ひ、ひどい…


「や、でも多数決は俺らの勝ちだもんな」

「とうとう蜘蛛のルール丸投げしやがった!コイントス意味なし!!」

「だーんーちょーうー」

「なんなんだ今日のこいつらわがまますぎる…」


あまりにもブーイングが多いので、段々面倒になってくる。
じゃああれだな、仕事はあと四年はなしだな。だって他になにも…


「……あ、」


そういえば、私約束したんだった。


「…団長?」

「うん、植木のボランティアはまたの機会にしようか」


「じゃあ、何するんですか?」


首をかしげるシズクに、
私は今度こそ堂々と言った。


「世界中に散らばった、世界七大美色の1つ
緋の眼を全て此処にあつめろ」


さぁ、仕事開始だ。


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