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腹回りを擽るように動く手。
それは時々下半身にも移動し、太腿を撫でまわしてきたりする。
もう片方の手では、俺の頭を固定して何度もキスを繰り返してくる。
ふとしたときの深い口付けは、一回合わせられたらもうずっと離れない勢いで長時間口呼吸が殆ど出来ない。

今も舌を絡ませ、甘噛みされて、口内を荒らされている真っ最中だ。
鼻で呼吸するのもあまりうまくいかないし、このまま死んでしまいそうな気さえする。

「んっ、は、は、ぅん」

身体に這わされる手は時々胸の飾りを掠め、気まぐれにそれを摘まむ。
正直あまり感じないのだけど、摘ままれた時に何か奥底に潜むものが出てきそうでゾワッとしてしまうのはなんでだろうか。

丁寧な愛撫はこの空間の淫靡さが増すようで、さっきからいろんな意味で鳥肌が立ちまくりだ。
首筋や腕を撫でられたかと思うと、未だに脱がされていなかった寝間着を上も下も剥ぎ取られてしまう。
文字通りパンツ一丁になってしまい、羞恥に目を閉じる。

そんな状態でも口付けは続き、圧倒的な酸素の足りなさに眩暈がおきそうだ。
クラクラする頭の中、空調は適度な温度になる様にされているとはいえ流石にほぼ全裸なので少し寒い。

ふと下腹部をそっと撫でられて固まってしまう。
いや、だってそんなとこいきなり触られるとは思っていなかったんだ。

「紅?・・・無理、しないで」

「何言ってんだよ、大丈夫だから、な?」

優しい声音にゆっくりと頷く。
今はもう覚悟だ何だってのじゃなくて、この未知の行為に対する不安だ。
詩葵とか近くにカップルは居るけど、友達からそんな生々しい話なんて聞きたくもないし、第一向こうも嫌だろう。

俺のを紅の指がなぞる度に少しずつ硬度があがってると思う。
恥ずかしながらも目を開けて下の方を見たら下着に張り付き形がはっきりとわかる状態で、なんだこれ居た堪れない。

そうしてついに下着も脱がされ、現在後ろから抱きしめられて身体のいたるところを触られながら背中やら首筋やらにキスの嵐が直撃だ。
腰にはわざとらしくあてられた紅の熱の塊があって、下手に動けない。
その上しつこいくらいに弄られた胸は直接的な快感ではないにしろ、指先が掠めるたびに静かに快感を煽ってくる。

「んぅ、う、も、」

辛いと紅に訴える。
感度が高まっているのか直接触られたわけではないのに勃ちあがっているのがわかる。
気まぐれに腰を動かしてお尻に紅のを当ててくるので、もうリアルさが怖い。

俺の訴えに漸く紅が動く。
後ろから抱きしめられた状態だったのを、正面から向かい合うような姿勢に変える。
もう一度軽く唇を合わせると、紅はベッドサイドの棚からボトルを取り出してきた。
これが俗に言うローション、潤滑剤とゆうものか。

最初のように紅と天井が見える姿勢になり、そっと足を開く。
震えてしまうし、羞恥心も拭えない。
目を閉じると視線を強く感じるし、だけど目を伏せるぐらいに済ますと下半身が見えて居た堪れないし恥ずかしい。

「痛かったらすぐ言えよ」

「うん、優しくしてよ」

額に口付けをした紅が身体を起こす前に首に手を回し、キスを強請る。
笑って何度も合わせるだけのキスをした。

ボトルの蓋を開けて潤滑剤をお尻にかけると塗り込むように孔を中心に弄られる。
まだ体内に侵入されてはいないとはいえ、縁をなぞる様に動いていた紅の指がふいに入り口を押すと、ゾワッとしてしまう。

そうして固く閉ざされた縁がやっと綻んでくるとついに指が侵入してくる。
たっぷりとローションをつけたとはいえ、どうしても身体が固くなってしまうし違和感が物凄い。

「力を抜け、そう、ゆっくりとするから」

「ん、うん・・・」

一度指を抜き、また額や頬にキスをされてゆっくりと力を抜く。
強張りが完全に解けたかと言われれば否だが、先程よりはましだと思う。

再び侵入した指は、ゆっりと奥まで進んでいく。
傷つけまいとする紅の気遣いに感謝しながら、俺も心を落ち着けようとする。
深呼吸を何度もして、やっとのことで一本が根本まで埋まった。


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