「聞きたいことは?」
何気なく始まった会話だったがとりあえず疑問に答えてくれるらしい。
今分からない事ばかりの俺の唯一の情報網がこの先輩だ。
「てか、まじで俺愛子なんですか」
「、そこから聞きますか」
「そこからです」
「そんなに強く惹かれる匂いを醸し出しておいて愛子じゃないとかおかしすぎる」
「・・・・そうですか」
とにもかくにも俺は愛子らしい。
「じゃあ王様は?」
「あれ?知ってたんだ」
「数日前にたまたま図書館でそうゆう本があったので」
そういうと勉強熱心だねと褒めてもらった。
たまたまという言葉が聞こえなかったのだろうか、この人。
「んー・・・まだわかんないんだよね」
「えー」
「えーとか言われても。有力候補は俺とか紅とか今イギリスだけどレイフォンとかかな」
「はー」
俺の将来の旦那様(泣)はやっぱり男らしい。
そりゃこの世界はどちらでも許されているとはいえ俺的には可愛い女の子が良かった。
でもこの学園で会うとしたら先輩・・・!?え、やだな。
とか全然思っってないんだけどさ。
ともかく結論から言うと未だ不明という事で。
それじゃあまぁ、薄い期待は持っておこうということでおいておこう。
「ほかには?」
「んー…昨夜の先輩は、どうなりましたか?」
「彼は君が居なくなったらすぐに気絶したよ。保健室に運んどいたけど、ほんとにただの気絶だって」
「それはよかった」
もしかして俺のせいで死んじゃったかもーてへぺろとか思ってたんだけど。
死んでいないと言う謎の確証があったのでこんなふざけてるけどもしお亡くなりになったと思うと怖いものだ。
「他の質問は・・・思い浮かばないです」
「そっか。じゃあとにかく宝具は今日の午後学校長と共に持ってくるから」
「なんか大層な身分ですね、俺」
「そりゃあ愛子だし。居るだけで世界は安泰。素晴らしいじゃない」
「あーはいはい」
期待されても困るなぁと思いながらもなったものは仕方ないと諦めモード。
とりあえずこの現状に慣れようと思う。
「あ、連絡先は――――・・・っと」
机の上に散らばっていたメモ用紙とペンを探り出すとスラスラと書いていく。
百均で買った安物だけどこの人が使ってるだけで千円ぐらいのものに見える。
そんな不思議を眺める。
「はい、これだから」
そう言いながらも机の端にちょんとのせる。
そこまでして近づきたくないんですかと言ったら申し訳なさそうな顔された。
そして親切心百パーセントで玄関まで送りますと言ったのに全力で拒否された。
全然、わざと近づいてやろうかとかそんなこと思ってないから。
まぁ、最後に
「バイバイ、僕の花嫁さん」
と言われたことについて。
メイビー付けろや馬鹿野郎とか思ったけど口にはしてない偉い偉い。