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話を戻して藤堂先輩は一体何が言いたかったんだろう?
首をかしげながら視線をそちらに向けると気づいたらしく咳払いする。

「ポッキーの日よ」

そっぽを向きながら言う先輩はちょっと拗ねてるらしく可愛らしい。
やっぱり藤堂先輩は癒しだ。この人が居ないとこんな部活に来るたびに嘔吐する気がする。

まぁそんなことは一先置いといて。

「それが一体どうしたんですか?」

「あたし、ポッキー好きなの」

「へー」

だからなんだと首を傾げる。
でも他の人たちは何か気づいたようで一様に苦笑いしている。

さっき近づいてきた先輩は相変わらず近い位置にいるため、Tシャツの裾を引っ張る。

「どした?」

「藤堂先輩の、どういう意味ですか?」

そう上を向きながら訊ねる。
相変わらず首が痛いけれどそんなの知らない気にしない。

「んー、簡単に言うとポッキーくれって感じ」

「え、藤堂先輩はそんなことする人じゃありませんよ。・・・貴方と違って」

こっそり?まぁ多少わざと聞こえるように言った言葉はしっかりと先輩の耳に届いたようだ。

「えー、意外とそういう子だよー?・・・今日一緒に帰るから」

「やっぱり信じられません。・・・何でですか」

普通の会話のあとに少々剣呑?な雰囲気で小声で言い合っている。
はっきり言って物凄くどうでもいいことだけど。

「ちょーっと大事な用があるからねー」

「・・・・・了解です」

悪い予感がするのは決して気のせいではないだろう。
それでも強引に来るのだろうから、きっと・・・いや絶対に俺に拒否権はないのだろう。
本当に嫌そうに溜息をつきながら了承の言葉を絞り出した。


そして、休憩時間終了の笛がなるのであった。


部活終了後、逃げようといつもの3倍速で着替えた俺は逃げようと部室を出た。
するとどこのアイドルかしらないけど、爽やかな笑みを浮かべた先輩が楽しそうな顔で「こっち」と呼んだ。
・・・・・うん。有言実行の人ってすごいと思う。

ため息をつきながら先輩のもとへ歩いてゆくのだった。




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