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今日は新しい生徒会が執行する初めての集会。
その時に生徒会と各委員長、副委員長の紹介があるようで、俺は副委員長になってしまったので登壇している。

挨拶をするのは委員長のみなので、正直俺が居る意味はないと思う。。
それは各委員の副委員長も同じで、クラスメイトに図書委員会の副委員長が居たので2人で愚痴を言いまくってた。

登壇して上から眺めているとやはりというべきか空席や寝ている生徒の数が相当目立っててなんだか複雑。
こちらもあちらもこんな委員長等の紹介なんて時間を浪費するだけで退屈なのに、なんでこんなことをしなきゃいけねーんだ。

こんな風に思うぐらいには俺もまだ子供だ。
どんなに真面目で、常に冷静でいようとは思っているんだけどな。

そうして集会が終わった後クラスでHRを終わらせると風紀室へ向かう。

「はーい、今日は要注意人物のリスト作成な」

委員長からの指示で、情報担当の多紀の指揮のもとで書類整理をしながら討論が始まる。
こいつはこの前あの問題を、あいつは暫く問題は起こしてないです、なんてみんなの意見が白熱しあう。

書類上では記録として残っていても、捕まえた奴らがその時の様子を語るとあっさりと解決した問題に思えても、加害者の異常な目つきをしていたやら大事なことを聞ける。
途中で自慢大会みたいにもなってしまったけれど、有意義な時間だったと思う。

そうしていると想像以上に時間がかかってしまい、時刻は完全下校の10分前。
警備の人たちにも迷惑がかかるので慌てて帰る。

副委員長の特権で1人部屋になったので、同室者に煩わされることはない。
静かなこの部屋をそりゃあ寂しいと思うけれど、それ以上に疲れた。

フラフラと部屋に入るとソファーに座ってそのまま動けない。
物理的な力や、驚いて腰を抜かしたわけじゃない。

もう疲れた。
なにもやりたくない。

たぶんこれをオンとオフの差が激しい人間と言うのだろうか。
小さいころは歳の離れた兄が可愛がってくれた為に結構甘えたな性格だった。
しかし、兄が家を離れたと同時に出来た小さな妹。
この子の世話をしていた為にオンの状態の自分が出来たのかもしれない。

「あー・・・兄貴とゆずに会いてぇ」

そうしたらゆずのこと思いっきり甘やかして、兄貴に欲しかった映画のDVDを強請って、ああこれがホームシックというやつか。

ふいに喉が渇いて水が欲しくなる。
それ以上に空腹を身体は訴えていたけれど、なんとか動かした身体で水を飲みに行くとその後は制服のままベッドに倒れこむ。

ブレザーを脱いだ自分を褒めてほしい。
しかし、ネクタイはそのままにしてあるので、この状態を兄貴に見られたら叱られて、仕方ないなぁって緩めてくれるんだろう。

今日は久々に家族の夢を見れそうだ。
疲れた身体を癒すため、そっと抱き枕に力を込めた。

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