18

木更津が落ち着くのを待たずに逃げてやろうかとも思った。
だけど一応でも関係はある為に今逃げても後に回るだけ。
それだと後々の面倒が大きくなるだけだと、今回は真面目に話し合いをしていきたいと、俺は思っているのだが。

「いやー、結婚しちゃう?」

「するわけないだろ」

まだまだ笑いが収まらないうえにからかってくる等本当に癇に障る。
そりゃあ馬鹿なことを言った俺も当然悪いとは思うけれど。

「はー…うん、大丈夫」

「やっとか…ったく、本当に嫌な奴だな」

「でも彼氏だよ?」

「…お前、それこそ彼氏だとか言うならレイプなんて冗談でも言うな」

「本気にしちゃってー」

「俺は、本気だった例を何個も知っている」

強姦から助けられた子は居る。
けれど手遅れだった子も見てきた。

救いたかった。
呆然として泣くしか出来ない彼らを見るのは本当に辛い。
それぐらいに罪が重いことだから、冗談でもそんなことを言われると怒りは当然悲しみも沸いてくるのだ。

この学校はただでさえ不良達の喧嘩もあるというのに、強姦まであるのだ。
だからこんなにも風紀は忙しい。
学校の問題だけでは済ませられなくなったことも多々あるらしい。
そんな事件はまだ見たことはないが、今後その可能性はある。

「だから冗談でもそういったことは言うな」

「…ん、わりぃ」

「……素直か」

「そうだよ、素直だよ俺は」

だから、と頬に手が添えられキスをされる。
何故この流れでそうなるのだと若干キレそうになるが、ここで騒いでも仕方ない。

「前から聞きたかったんだが、そもそも何故俺なんだ」

「んー、一目惚れ?」

「罰ゲームかなんかだろう」

「ちげーよ」

「素直に吐け」

「………お前を抱いたらゲーム終了」

「下衆だな」

どうしてこうもふざけたゲームをするのだ。
他人の気持ちも考えられないのかこの男は、そしてその仲間達は。
正直その後は怒りであまり覚えてはいない。
気が付いたら部屋にいた。

[ 28/35 ]

[前へ 目次 次へ]
しおり

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -