案外ゲーセンで時間を使ったらしく、時刻は18時となっていた。
だが夏場ということもあり、まだ明るい。
「おい、どうするんだ」
「飯行く?どっかオススメの店ねぇ?」
プリクラので気恥ずかしさもありゲーセンを出てから適当に歩いていたが、ふとこれからどうしようかと尋ねてみた。
まぁ時間的にも普通な返事で、それもそうかと考えてみる。
けれどあまりそういうことに詳しくはないので静かに首を振った。
「じゃあ繁華街みてーなとこで、いいとこ探そうぜ」
「わかった」
どうやら適当に歩いていたが、繁華街に向かう方面だったらしいのでそのまま進んでいった。
またよくわからない質問責めにあいながらの道中は、案外悪くなかった。
辿り着いた繁華街は、それなりに人はいるがまだまばらであった。
なので少し進んだところにあったリーズナブルな価格の中華料理店に入ってみた。
「俺エビチリ食いたい」
「じゃあ青椒肉絲も」
二人で食べたいものを言い合って、結局そのままを店員に伝えた。
「はぁ、何故か疲れた」
「あ?楽しかっただろ?」
「…そうだな」
「兄弟は?」
「兄と妹がいる」
唐突な話題の方向転換に、溜息をつきながらも対応していく。
そんなに聞いても、どうせすぐ忘れるだろうに。
若干の意地悪な心と、僅かな興味を持って木更津に聞いたみた。
「俺の嫌いなものは?」
「納豆と茄子と馬鹿」
「よく覚えてるな」
「そりゃ俺から聞いてんだから」
「…馬鹿でなくてよかった」
「ああ、俺馬鹿じゃないから好きって?」
「やっぱり馬鹿だ」
断定。
その後は料理が来たのでそれを黙々と食べていく。
それでも足りないのは成長期だからか、また追加してデザートの杏仁豆腐も食い終わってからようやくデートが終了を告げた。