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不良を叩きのめすという風紀のお仕事を終え、程よく身体が温まった状態となっている俺。
この調子でドッチボールも頑張るぞと意気込んだ試合は圧勝した。

外野の奴と内野の俺でほぼずっとボールを回してて、一度に二人当てるだなんて幸運もあったので満足だ。
俺がいない間に二度試合があったらしいが、どちらも勝ったらしく、この調子で優勝出来るのではないか。

そんな会話に少しだけ参加して再び風紀のお仕事。
あと一時間程で昼休憩なのでそれまでに片付けたい。
どれだけ馬鹿な奴らが居るかによってだけどな。

そうして向かった先には大量の不良。
韻を踏みたかったわけではない。
問題を起こした生徒の待機部屋の人口密度がやばい。
何故こんなにいるのか、先生方も頭を抱えていた。

「あ、副委員長ー」

「どうした?」

風紀委員の近藤に呼ばれる。
俺が居ない間にこの不良共がやらかしたことを纏めていてくれたらしい。
そんな綺麗な字で書かれた報告書を見て、正直頭を抱えたくなった。

「・・・で、こいつとあいつは軽い処罰でいいから風紀で宜しく」

「わかりました。ではあそこらへんは先生方で宜しくお願いします」

退学やらの処分は特別なものなので、そのレベルの問題を起こした奴らは先生方に引き渡し、俺は後でどの程度の処罰を与えるかの参考にする為に改めて聞き取りだ。

やっと委員長も来てくれたので少しは早く終わるだろうか。
確実に昼休憩が削られる予感しかしない。
仕方がない、ここに居る近藤などを含め風紀の奴らの道連れで我慢しよう。

そうして案の定昼休憩の時間を大幅に削られてやっとのこと終わった。
ご飯を求め、他の風紀委員に別れを告げ食堂へ向かう。

本当はランチを頼みたかったけど、混んでるしすぐ食べたかったので今日は諦めよう。
カウンターに並べられた単品のスナックやおにぎりなど適当に買う。
あ、揚げたての唐揚げがちょうど並んだのは本当に嬉しかった。

さて、どこで食べるかだが風紀だからということで空き教室へ入り込む。
疲れたから静かな場所に行きたかったんだ。

「ハロー」

「・・・・・・・・・・」

おにぎりのラップを外したところで扉を叩く音が聞こえた。
扉の上のほうは透明なガラスとなっているのではっきりとわかる。
アイツは、木更津だ。

「風紀委員が立ち入り禁止の空き教室で飯食ってるー」

しまった、鍵を閉め忘れた。
ずかずかと入り込んできて、飯を食ってる俺の隣に座ってきた。
なんだコイツ、ここは立ち入り禁止の校舎の部分となっているので普通に規則違反だ。
馬鹿なのだろうかコイツは。
いや、見つかってしまったので俺も馬鹿か。

「はぁ・・・誰にも言わねーからさっさとどっか行け」

「何で藤下サンはいいの?」

「風紀の、見回り途中だ」

「見回り中にご飯食べるのか」

「・・・お前はこの校舎に居る時点でアウトなんだからな」

「誰にも言わないんでしょ?」

ああ、こいつ本当に面倒臭い。
そんで俺の唐揚げを食べようとするな。

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