それから後でわかったことだが俺のお昼寝場所までの道のりでよくケンカやリンチが多いらしいのだ。
今まで時間帯が合わなかったからか見つけたことはなかった。
しかし、この前木更津と喧嘩してた奴らによればあそこらへんは絶好の場所らしい。
どうやら俺が見回りしているシフトは情報として出回っているらしい。
ならば俺が今まで見つけなかったのも頷ける。
「・・・ってわけ。どうする?」
「一か月単位でシフトも場所も変える」
「はいはい。委員長にも伝えとく」
シフトの情報云々の話をされたのでとりあえずの案だがこうするしかない。
それよりどこから情報が出回ってんのやら。
「おい多紀、情報の洩れはどこから?」
「今探ってるとこ」
パソコンをカタカタと弄り始める多紀を横目に、俺も溜まった仕事を片付ける。
今は委員長が会議に出席してるために俺のもとに報告やらなんやらがくる。
伝統的に副委員長がそのまま委員長になるらしいが、是非とも遠慮したい。
書類は委員長じゃなきゃダメなものや俺でもいいやつ。
生徒会とか他の委員会と連携のものなど、後で顧問とも話し合わねば。
最近不良の喧嘩が多くなり、それに伴いカツアゲなども増えてきた。
その上ただの痴話喧嘩が男同士のため洒落にならない殴り合いになったり。
また痴情の縺れで虐めが起きたり散々だ。
監視のために一クラスに最低一人の風紀委員が欲しいところだが、大きな学校なので自然と大人数集まってしまう。
それはそれで管理が面倒になり情報漏洩のリスクも高まる。
現在も情報の流出元を探してもらってるぐらいだし、どうなることやら。
「あ、委員長おかえりなさい」
「おう。どんな感じだ?」
向こうで多紀が委員長に先程の会話のことやら報告している。
会議の内容のことで俺も後で呼ばれるだろうし、委員長に最終確認してもらう書類をはやく纏めねばならない。
「ふーじーしーたー」
「今行きます」
早速御呼ばれしたのでまずは会議の内容についての話を聞かされる。
「美化委員との話と今度の行事の話だ」
それからは少々メモを取ったりしながらきくのに徹する。
これからも色んな会議があるだろうし、俺も出なきゃいけないのもある。
最低限話題について行けるようにしなければ。
「ってわけ。アイツらマジふざけてる」
「あー・・・めんどくせ」
「おい藤下。口調」
「あ、すいません」
「お前、俺が先輩だから敬語だけど実際は結構口悪いよな」
「そんなことないっすよ」
元々書類仕事も好きじゃないし、体を動かすのは時々なら楽しいと思うけど、そんな好きではない。
最近はそのあまり好きじゃない書類仕事をさせられ、荒事の度に駆り出される。
それが案外ストレスとして溜まってるようだ。
「別に無理して敬語じゃなくてもいいけど」
「先輩以外にもタメ口きいたらマズいじゃないですか」
「んなの適当にやっとけ」
「いいんですよー。もうこれで慣れてるし」
最後はただの雑談となってしまったがこれにて委員長との会話も終了。
大人しく席に戻り再びノートパソコンと格闘だ。