連絡先を交換した。
寮の部屋番号、あと何故か得意科目を教えてもらった。
さて、それから。
「藤下、出来たか?」
「机の上に置いといてますよ」
委員長に最終チェックしてもらう書類の数々。
タウンページぐらいの厚さにはなっている為に委員長は席に着いた時に若干青ざめていた。
そんな委員長を横目に、こっちだって書類仕事があるためにパソコンと向き合いハンコを押し、面倒なデスクワークの真っ只中。
ああもうきょうは顧問が来ないから教師達に提出する書類は自分で持ってかねばならない。
「僕生徒会と職員室に書類届けに行きますけど、皆さん何かありますか?」
粗方片付いた時に、委員の一人がそういってきた。
それにみんなでよってたかって書類を渡すために相当な量となっている。
こいつデスクワークや取調べ専門の奴だし、無理じゃねえか。
普段なら他の奴らも気づくのだろうけど、忙しい為に渡した後は見向きもしない。
仕方ねぇと、それ以上に少しは身体を動かしたいがために立ち上がる。
「おい、俺教頭と話があるから代わりに行ってくる。そこのデータ、パソコンに打ち込んどいてくれね?」
「あ、うんわかった」
想像以上に重かったので、やっぱこいつにやらせなくてよかった。
こういうのは向き不向きがあるので俺はまだこっちのがいい。
本当は教頭と話など無いので少しだけ休んで行こうという魂胆もあるのだけど。
それはさておき、薄い紙切れも集まればこんな重さになるのかとしみじみ感じながらまずは生徒会。
その後職員室へ行き、新たな書類を預かって戻ることとなった。
まぁ、その前に休もう。
というわけで屋上へ行ったのだけど、鍵を持ってくるのを忘れてしまった。
無駄足となったけど、まぁ少しだけ息抜きにはなったのでよしとしよう。
実際よりも重く感じる書類を持ち直して来た道を戻ろうとした。
その時にキィーっと金属の擦れる音がして、振り向く先には予想通りの人物。
「またお前か」
「藤下さんじゃん。どうしたの?」
「鍵を渡せ」
「やだ」
そうして何故かキスしてきた木更津は、数段降りてから一気に飛んで、あっという間に去っていった。
あれは一応恋人同士のスキンシップと言えばいいのか。
呆気に取られて数十秒。
疲れたとかもう、それすらどうでもよくなって、とりあえず風紀室へ戻る。
書類をそれぞれに配って、俺も元の仕事に戻る。
相変わらず液晶画面を眺めていると目は痛くなるし、座っていると腰も痛い。
先程データの入力を任せて、俺がやるよりも綺麗に纏めて貰ったので今日は早めに終わるかもしれない。
その予想通りに最終下校の30分程前に終わったため、みんなが仕事してる中帰ることができた。
他の者の手伝いもしようとしたのだけど、委員長に早く帰れと言われたので大人しく帰ることにした。
また明日も忙しいだろう為に今日はゆっくり休もう。
部屋に戻る前に食堂へ行き、がっつりとどんぶりを食べる。
それでも足りなかったのでおにぎりも食べてから部屋に戻った。
早々に風呂に入って休むことにする。
あまり趣味もないために部屋にいてもやることなどないのだ。
明日の準備も済ませ、最後に携帯をチェックすればラインがきていた。
誰かと思えば木更津真弘。
内容は今度デートしよう、とのことだったので既読無視した。