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寝室へ向かうと夕食の前まで寝ながら読んでいた本のページをベッドに座りながらパラパラと捲っていた。
案の定何処まで読んでいたのかわからないらしく何度か同じページを行き来してる。

「紅」

呼びかければ視線を上にして、こちらを見上げる紅。
その視線が完全に俺のと合わさる前に覆いかぶさり、唇を奪う。

腰に回ってきた手の感触にやはり気恥ずかしさを感じるが、体勢を入れ替えされて俺が下になるとそんな感情何処かへ行った。

「んぅ、もっと」

一瞬離された唇を追いかけるように押し付けると笑いながら舌を絡まされる。
まだまだ息の仕方はわからず、下手くそだけど一秒でも長く口付けていたいのだ。

脱がされていく衣服を少しだけ見て、俺も紅のパジャマを脱がしていく。
随分と積極的だな、と言われるかもしれないがこんなこと稀だ稀。
精々5回に一回程度だ。

上半身裸となり、肌をなぞる俺と違う体温にいちいちびくびくとしてしまう。
気まぐれに突起を掠められれば、呼吸が荒いものとなっていく。

ふいに舌でお臍付近を舐められて、擽りに弱いわけでもないが強いわけでもない俺の体が魚の様に跳ねる。
そのまま口を大きく開ける紅の様子にあ、と小さく声を漏らすと同時に感じる仄かな痛みに感じてるらしい体の所為で口から意味のないが零れ落ちていく。

「あっ!ぅ・・・んっ」

「なんだ、硬いな」

指先が突起を捉えると力を込めて摘ままれる。
そんなに強い力ではないものの、簡単に摘まめるぐらいには反応しているのだ。
自覚したらやっぱり恥ずかしくて赤面する俺と、ニヤニヤと笑う紅。

「ここも最初と違って感度よくなってきたよなぁ」

「う、っさい!」

「でも、気持ちいいだろ?」

うん、って答えてやってもいいけどニヤニヤと笑われたので答えない。
人が恥ずかしくて死にそうなのを笑うなんてひどすぎるだろ。

黙りこくった俺の額にキスをすると、両方の太腿を掴み大きく広げる。
この先の行為にかかる負担を軽減するための準備だとしても恥ずかしくて唇をかむ。
そんな俺の身体の中心を眺めてる視線が痛すぎて視線の向けどころに困っていると紅がその意地の悪い笑みのまま呟く。

「ここ、黒子あったんだな」

「え・・・?どこ?」

「ここ、ほら・・・なんかエロいな」
脚の付け根の、裏側にあるらしい黒子は自分でも知らなかった場所だ。
そこを示す様に人差し指でぐりぐりと押されると場所が場所だけに声が漏れる。

「あっ、ん!も・・・いいから!」

「駄目に決まってんだろ。まだ俺の知らないとこがあるって知っちまったんだ」

透の体を誰よりも知っていなきゃ、全て知っていないと嫌なんだよと耳元で囁かれる。
瞬間、ゾワッっと嫌なものではない、快感による震えが体中に広がる。
それに耐えながらも俺は腕を回して今度は俺が紅の耳元で囁く。

「紅、以上に知ってる奴がいるわけねぇだろ」

「・・・当たり前だろ」

ぶっきらぼうな返事をすると共に、サイドテーブルからローションを取り出す紅。
そして掌に垂らすとそのぬめった指先で、それこそ紅しか知らない秘部を撫でる。

「んっ、こう・・・」

「透」

その声に安心感がもたらされ、深い呼吸をするとともに指が一本入ってくる。
ぬめりがあるとはいえ、そこはもともと入れる場所ではないので押し返そうとする力が自然とこもるが、それでもゆっくりと押し進められる指。
とりあえず一本入れば俺も心情的にはほっとするところだ。

その後も、ローションを何回も注ぎこむと秘部が柔らかくなって指を三本も迎え入れるようになった。
もういいよと少しだけ震える体を動かし、目の前の逞しい体に抱き付く。

「だいじょ、ぶ・・・だよ?」

「息を吐け。そう、いい子だ」

俺が数回深呼吸するのを色んな場所に口付けしながら見守っていた紅は柔らかい暖かなまなざしで俺を見ると一息にその灼熱の欲望を押し入れた。
一瞬、息がつまるもののすぐに前回のことを思い出して力を抜く様に頑張れば自然と呼吸も少しは整ってきた。

「はぁ、はぁ・・・紅」

俺が名前を呼べばそれを合図に一気に律動が始まる。
揺さぶられる俺の体と紅の体を繋ぐその質量あるものが出し入れされて奥を突き上げられるたびにひっきりなしに嬌声が零れ落ちる。
恥ずかしくて堪らないのに声が出てしまう度に更に芯の固くなるそれを体の中で感じてしまえば口を塞ぐことさえできやしない。

「あ、やぁ・・・こ、も、やっ」

「大丈夫、ほら気持ちい、だろ?」

紅もきちんと感じてくれてて、息が乱れているのをみると嬉しくて笑ってしまう。
すると何故か紅は一瞬止まってその後いきなり首筋を噛んでくる。

「んゃぁ、あっ・・・!!」

「っ、ん・・・イったのか?」

「うぅ、ん・・・」

噛まれてイくとかどんだけだ俺。
これは流石にいたたまれなくて顔を必死に隠す。
じわりと涙まで出てきたのでごしごしと乱暴に拭いていると、両手首を掴まれる。

「や、だ!・・・紅のば、あぁっん、ぅん」

「・・・は、良い顔してんじゃねぇか」

さっきよりも速い律動に揺さぶられて頭がぼぉっとしてくるのを必死に意識を保つ。
掴まれたままの両手首の所為で行動が制限されていて、荒い息を吐きだして呼吸を整えようにもそんな暇など一瞬もない。

やがて中を熱い液体が流れ込むとようやく動きが止まって酸素を必死に吸い込む。
零れ落ちそうなぐらい注がれたそれを押し込むように緩慢な動きで腰を動かす紅に、手首の拘束も外されたこともあり今日はもうこれで終わりかと思えば、再び熱を灯すソレを中で直に感じて、目を見開く。

「え・・・こぅ、っ!?」

「もう一回。一回で満足できるわけねぇだろ?」

先程噛まれて未だ少しだが血を流す傷口に唇を寄せ舐められると、それだけで俺の体も疼いてしまい、そっと紅の首に腕を回した。



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