3 昼休み、和葉の弁当と共に溜まっていた愚痴をこぼしまくる。 でも結局内容は大きく分けると怖かったと行きたくない、もしも行ったならきっと俺は殺されるんだと被害妄想100パーセントであった。 「いきなり、いきなり話しかけてきたと思ったら・・・うぅ」 「あーはいはい、怖かったんだな」 「ぐすっ、いきたくない・・・!!」 「ってもな、考えてみろよ。行かなかったほうがやばいことになるんじゃねーか?」 「激おこぷんぷん丸?」 「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームじゃね?」 「・・・死亡フラグ」 「はい、頑張ってこーい」 早々に話を切り上げられ、あろうことか同じ委員会の人に呼ばれてどっか行った。 ふざけんなよー、ぼっち寂しいんだぞ、コミュ障って辛いんだからな! そんな俺に気付いて近づいてくるクラスメイトの一人。 「あ、神谷くん。そう言えば実習の時藤崎先生と話してたよね。どうしたの?」 「・・・・とくに、何も」 怖い怖い、だってさ、だってさ、俺が基本和葉とずっといるからか物珍しいらしく、和葉が居なくなると共にちょいちょい話しかけられる。 クラスメイトとして交友を深めようってのはわかるんだけどさ、俺にはちょっとレベル高すぎるんですよ本当にごめんなさいっ!! 「そうなのー?でもさ、藤崎先生って本当にカッコイイよねー!!」 「そ、だね」 確かにそうだとは思う、怖かったけど!とっても怖かったけど!! 顔の造形は整っていたし、高い鼻と切れ長の瞳が印象的だったような気がする。 最初に話聞いてた時にそう思ってたけど、後で話しかけられた時のまるで般若のような顔にビビりまくってあまり思い出せない。 「学生時代はSクラスでさ、そのまま専門学校行ったらしいんだよ!」 「強い」 「そう、凄く強いんだよ!だから軍部から推薦まで来たらしいんだけど・・・」 「・・・今、教師」 「断って教師になったらしいよ」 どうして軍に行かなかったんだよーーー!! いやね、凄い人が教鞭を執ってくれるのはいい事だとは思うんだけどね。 国を守れるぐらいに凄い人ならそっち行ってくれよ、怖いんだから。 ああもうだめだ、さっきから心の中ででも怖いしか言ってねーよ。 それにしても今話してる奴、話しやすいな。 というかある意味一人で話してるような感じが凄くするけど、最初のうちはそんぐらいじゃないと俺も馴染めないからなぁ。 まず俺がもっと話せばいいとか言わないでね、必死に主語と述語を考えるんだけど出てくるのは結果的に単語なだけなんだよ、ごめんねクラスメイトくん。 「あ、そう言えば神谷って風属性使えたよね。俺もなんだ、今度一緒に・・・」 「おーい、神谷郁出てこーい」 仲良くなるために頑張ろうと一人決心し、そしてお誘い?のようなものを受けているので、どんなものかわからないけど参加しようと思って心構えしていた。 だが、廊下から大声で俺の名前を叫ばれたので吃驚して聞き取れなかった。 一体なんだと思いそちらへ目を向ける。 「!?」 「神谷君、呼ばれてるみたいだよ」 ソウデスネ。 どうしましょ、どうしましょうか和葉さんって今居ないんだよねーーー!!(涙) 俺の涙腺今決壊したよ、崩壊したよ、まじでどうすれば。 「居ねーのか、神谷郁」 「ここに居ますよー!」 へーい、ちょっと待ってくださいよ!! おかしい、おかしいよマジでまってもう嫌だなに呪われてんの俺!? てか何でここに居るとか言っちゃうの、和葉居なくなった時点で俺も消えればよかった! 「ひぃ、な、ぅ」 やばいやばいマジでどうしよう単語すら出てこなくなったんですけど! てか何でみんな助けてくれないのって俺が普段から仲良く出来てないからですよね、ガンバリマス、これから少しでも頑張って話しかけるからヘルプ!! 「放課後まで待つの面倒だ。おら、特欠にしてやるから来い」 「ふっ・・・・うぇ」 嗚呼どうしよう公衆の面前でガチ泣きしそう、俺高校生!! 必死で涙腺をこれ以上刺激しない様に藤崎先生の顔を見ないようにしていると、じれったい、と言うよりも面倒で疲れてきたのか腕を掴まれ強制連行。 おいそこ、そんなイイ笑顔で手を振るな、お前確か・・・なんだっけ、腐から始まる男子だったよな、性根腐ったって意味か?忘れた。 現実逃避の為に腐男子の意味を考えるも、教室から連れ出され、好奇の視線に耐えきれずに俯いたまま手を引かれて行った。 しおり |