制御不能

二週間前。
実家に呼びだされた紅は不満ありまくりながらも、次期当主としていろいろあるようだからちゃんと仕事しに実家に帰った。

その間は黒羽さんの安心安全の24時間警備がついているので特に問題は無かった。
寂しかったけど正樹達を招いて夕食一緒に食ったりしてたのでそこまでではなかったし。

そして今、ようやく帰ってきた紅は飯を強請ると物凄い勢いで食べいる。

「えと、そんなに忙しかった・・・?」

「透の飯のが上手いからあんま食ってなかった」

なんとも嬉しい、旦那様として最高のお返事をくれたものの、やはりあまり食べなかったと言うのは心配でしかない。
いっぱい食べてくれと言うと、明日の朝ごはんにもと思っていた炊き込みご飯を綺麗に食ってくれた。

ようやくというべきか、満足したらしい紅は眠くなったのか欠伸をしてる。
可愛いなぁ、なんて思いながら風呂に入ってきたらと言うと小さくうなずいた紅。

紅が風呂からあがったのでその後俺も入り寝室へ行く。
すると、寝室で本を読んでいた紅は最早寝ているらしく首がカクカクと動いていて、本を持つ手は力が入っていない。
ヘッドボードに寄りかかっている状態なのでこのままだと腰が痛そうだ。

少しの悪戯心を含め、ちゃんと横になった姿勢で寝て欲しいので額にそっとキスをした。
すると予想通り閉じていた目が、見開かれる。

そこで紅は俺の腕を掴みベッドへ縫い付けるとそのまま首に齧り付くという、予想外の行動に出た。
だが首に齧り付いたということは、血が足りていないと言うことだ。
どうやら疲れていたのは血を摂っていなかったからなのかと、いきなりの行動に驚いていたので納得、そういうことか。

「紅、お疲れ様」

首に埋めた頭を撫でる。
思う存分吸ってくれとは言えないが、死なない程度には吸っても構わない、なんて思いを抱きながらサラサラとした髪を梳いていると、もう血が止まったのか傷口を舐めている。
正直痛いのだがまあ今日ぐらいは我慢しよう。

「ハ、透・・・」

「紅?どうしたの、大丈夫?」

まだまだ足り無さそうな雰囲気だが、俺としてはもう少し疲れた。
深呼吸を何回か繰り返していると、紅の手つきが怪しくなってきた。

「えと、紅?」

「透、足りない・・・」

言葉と共に唇を塞がれて、侵入してくる舌が口内で暴れまわる。
絡めとられて、吸われて、歯茎を舐められて、もうどうしたらいいっていうんだ。

肩の力を抜き、そっと紅の首に手を回す。
笑う紅からは隠せぬ欲と、獰猛な獣のような気配さえする。

「ん、ぅあ」

性急に服を脱がす指先は、そのまま肌の上を滑り、自由に暴れまわる。
だが、すぐに下半身へ手が伸びてきた。

「はっ、やくない!?」

「ごめん、痛くない様にするから」

余裕のない紅を見るのもある意味新発見で嬉しいが、まさかこんな時とは思わない。
双丘の中心部分を、縁をなぞる様に数回撫でながら、逆の手で尻を揉んでくるとは旦那様ながらなんともへんた・・・変態だ。

暫く揉み続けていたのだが、やがて尻臀を鷲掴むと左右に広げる。
それは中心部分、つまりは排泄器官をマジマジと見られてるわけで、羞恥に一気に体が熱くなってきた。

「こ、う!やめろって、馬鹿!」

俺の訴えにも知らん顔の紅はそのまま顔を寄せると、舐めた。
いやまて、なにかおかしい、なんで、そんなとこ。

「んぁ、ちょ、まって!」

「・・・ちゅ、どした?」

リップ音を響かせるな、この卑猥人間。
なんて思ってしまうのは、普段愛撫は勿論されるものの、アレやら孔を舐められたことは一度も無かったからだ。
愛撫のひとつとしてそうゆうことする人も居るんだろうけど、少なくとも紅はしない。

抵抗してみるものの、紅との幾度となくしたこの行為で一つの性感帯となってしまったソコは、舐められるだけで反抗する気力を失わせていくだけだ。
それでも頑張って暴れていると、漸く顔を遠ざけ、そして潤滑剤を取り出すとそのまま孔にぶっかけられた。
冷たさに鳥肌がたってしまったのだが、そのことに自分が気づく前に指を入れられた。

「ひっぁ、ぁぅん」

「痛くないか?」

「んぅ、だいじょ、ぶ」

第一関節を曲げたりしながら入り口部分を解かしていた紅だが、俺の返事に一気に根本まで埋め込まれる。
どんだけ余裕がないんだ、普段はもっとゆっくりしてくれるのに。

そして二本目の指が入れられると共に感じる場所を探られて、もう大体場所は覚えているのかソコを押す様に指を動かされる。
再度足される潤滑剤に、縁が切れない様に気を使ってくれてる。
そんな優しさを見せるのならもうちょっとゆっくりしてくれと言いたい。

ほどなくして三本目も無事に根本まで埋め込まれ、自由に暴れていた指を引き抜くと、身体をひっくり返してきて紅と向き合うような姿勢になる。
今日は正常位かと、後ろから貫かれるのは結構身体に負担がかかるから良かったと密かに一安心。

先程まで指が埋め込まれていたアソコが、収縮しているのが自分でもわかり、早くしろよと紅を睨めつけたのだが。
性行為中、初めて正面からみた紅の顔は、なんて色っぽいんだろうか。
余裕なく、荒い息を吐きながらこちらを見ている。

俺の視線と紅の視線、それらが重なった瞬間、一気に奥まで挿入された。
質量のある熱の塊は、ただでさえ高められて熱かった身体をさらに熱くさせ、このまま焼けて死にそうだとさえ思ってしまう。

紅のモノに中が馴染む前に容赦なく腰を打ち付け、身体を揺さぶられる。
最初から速い律動に、ただただしがみつくだけで精いっぱいだ。

紅の動きが更に激しくなると、俺は耐え切れずにイってしまう。
今日は一回も性器に触れられていないのに、もう後ろの快感だけでイけてしまうなんて、紅の教育の賜物と言えばいいのだろうか。

そして紅も続いて俺の中へ白濁を注ぎ込むと、一回動きを止め大きく深呼吸をした。

「は、紅、落ち着いた?・・・ぁっ、んん、ん」

息を整えながら紅に訊ねると、何故か口付けされる。
そう言えば俺の孔舐めたんだっけ。

貪る様に深くなる口付け、そして再度動かされる腰。

「紅、ん!やっ、ぁぅ、めろ!」

「後二回」

「むりっ、だ、ぁん」

後二回ってどんだけだ。
合計三回もシようだなんて。

本格的に自分死ぬんじゃないかと思っていたら、追い打ちをかける様に紅は身体を動かすと、所謂対面座位というような体勢にさせられる。
向かい合い、紅の顔が見える安心感というものは得られるのだが、必死で酸素を集める口を塞がれ、挙句の果てには首筋に牙を立てられる始末。

何回も絶頂を味わい、奥に注がれる白濁。
言葉通り息も絶え絶えになっていると、ようやく満足した紅は解放してくれた。

「も、はぁ、は、紅の、バカ」

「・・・もう一回」

「ふざけんな!は、もう眠い・・・」

「後処理してやるから、もう寝ろ」

「ん、お休み」

額にキスをした紅に、お返しと言わんばかりに俺も紅の額にキスをすると、目を閉じた。

制御不能
(満足したならもういいです)



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