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「はっ、ぁ・・・」

胸の尖りを触れられれば、まだ気持ちいいとは思わないけれどなんかこう、もどかしい何かがあるらしく、呼吸が乱れてくる。
先輩は俺にキスすると、首筋から胸元にかけて唇を落とし、胸の尖りを弄りながらさり気無くとでも言うように下半身へと触れてくる。
胸元に先輩の髪の毛も当たるのでくすぐったくてシーツを掴んでしまう。

何時の間にか降ろされていたズボンに驚く間もなく、下着の上からアソコを揉みこんでくるのでこれはもうやばい。
俺も男なのだから、そこを直接触れられて、ましてや好きな人に触られて興奮しない筈がないのである。

「ふふ、硬くなってる」

「んぅあ、ぁ」

だが、下着の中まで侵入してきた手は俺のモノを通り越し奥にある窪みへと向かう。
排泄器官であるソコを触られるのは、違和感しかなくて思わず眉を寄せる。

そのまま下着を脱がされて、全裸となってしまう。
恥ずかしいので先輩にもせめて上か下かどちらかは脱いでと言うと、シャツを脱ぎ始めてその美しい肉体が晒される。
やはり運動している人の肉体は凄いと思う。まあ俺もバスケしてるのだが。

「ごめんね、大丈夫だから。やっぱ最初は気持ち悪いと思うけど」

「っ、頑張り・・・ます」

「本当に無理だったら今日はしないから。ね?」

「・・・俺は、大丈夫です」

だって、先輩のズボンが一部不自然に盛り上がっているところがある。
先輩は俺を見て、俺をこれから抱こうとして興奮してくれているのだ。

「時雨はやっぱり可愛いねー」

「・・・っ、決意が鈍りそうなんで早くして下さい!!」

自分から行為を再開するように言うだなんて羞恥以外の何物でもない。
そんな俺を見て笑うと額にキスして、一旦ベッドから降りて棚を漁るとボトルみたいなものを手している。

それが何だかわからないわけじゃ、ない。
小説が好きな分、取り敢えず何でも読むと言うポリシーで官能小説とはいかずともそうゆう要素が少し入っている小説にも手を出していた時期もある。
男同士のやり方というのも、何となく予想はついていたし。

少し粘った液体を手に絡ませると奥の窄みの入り口に塗り込む。
この作業をしている間、ずっと足を広げていないといけないので、俺の身体の恥ずかしいところまで全て見られていると言うことだ。
羞恥だけで、嫌だと思わないのはきっと先輩だから。

ついにそこに指が入ってくると、一本だけでも相当の違和感がある。
痛くは無いのだが、受け入れるための器官では無いので押し返そうと言う力があり、その作用で余計に少し気持ち悪く感じてしまうのだ。

唇をかみ、眉を寄せてそれに耐えていると、申し訳なさそうな顔をした先輩が、二本目の指を入れてくる。
勿論たっぷりと濡らしてくれてるし、一本目の指もあまり大きくは動かさないでくれたので最初に少し痛かっただけだ。

弄る様な動きが、次第に大きくなる、
中を掻きまわすような動きがどうしても違和感を感じさせ、正直きついなとも思う。
それでも先輩を受け入れたいんだ、という思いが胸を占めた時、先輩の指が奥の一部を触れ、電流が流れたように体にはしる、快感。

「ひ、やぁっ!こわ、怖い・・・」

「大丈夫、ね?大丈夫だよ。もうちょっと我慢して」

こんなの、普通に生きて来たらきっと味わうことのなかった快感。
身体の奥底から湧き出るソレに、なんだか自分が自分でなくなるような気さえする。

それでも先輩は気持ちよくなるところを何度も突き、ローションを注ぐとついには三本目の指まで侵入してきた。
流石に三本目の指で、今日が初めてのそこはもう皺も無いぐらいに伸ばされている。

「っ、これで・・・ぁ、せんぱ、の・・・はい、る?」

「大丈夫だと思うけど、本当にいいの?」

「せんぱ、・・・好き」

だから大丈夫と続けると、指が引き抜かれ、唇が重なり合い、深いキスをする。
けっこう長く唇を合わせていると、その間に準備をしていたのか押し当てられる熱いものがあり、小さく悲鳴を上げてしまう。
硬くて、熱くて、先輩の体格に見合っており、俺のモノよりもっと大きい。

大丈夫と耳元で囁かれながら押し進められる腰、侵入する指なんかより大きいソレがあまりにも熱くて、興奮してくれてるんだと先輩の首に手を回しきつく抱きしめる。
こんなものは気休めで、やはりいくらローションを注いで解かそうとも限界を超えたそこはついに縁が切れ、血を流す。

気づいた先輩は体を離そうとするけど、そんなの許さない。
だって血が出てしまったけれど、もう先輩のものは俺の中に根本まで埋まっている。
折角俺で興奮してくれて、俺で解消しようとして、俺の中に入ったのに。

「大丈夫、です・・・もうちょっとまって、て下さい」

「・・・うん、馴染むまでまつよ」

それからしばらくして、漸く痛みもある程度収まってきたので先輩の鎖骨辺りに額を押し当てて顔を隠しながら、もう大丈夫と囁く。
蚊の羽音程度しかないその声をきいた先輩は俺の腰を掴むとゆっくりと律動し始める。

「あっ、はぁ・・・ん!っぅ、」

「は、気持ちいいよ時雨」

荒い息を吐きだしながら、眉を寄せて笑う先輩は元々の顔の造形は端正な分、余計に色気を感じてしまう。
だからそんな先輩に見つめられてるだけで、精神的に興奮してしまう。

最初の頃は萎えていた俺のモノも、突き上げられるたびにゆるゆると勃ち上がり、先輩の大きな手で扱かれればすぐに完勃ちしてしまう。
扱かれて、突かれて揺れる俺のモノは先輩の鍛えられた腹筋にあたり、擦れ、そろそろ限界を迎えようとしている。
先輩のものも、最初俺の中に入った時もデカかったのに、更に大きくなってる気がする。

「時雨・・・し、ぐれ」

「せ、っぁ・・・せんぱっ」

奥に注ぎ込まれた熱い液体を感じ、ほぼ同時に俺のモノも限界を迎えると、幸せな余韻に浸りながら意識は闇に落ちていった。

次に目が覚めると、先輩に抱きしめられていた。
清潔な服にに着替えさせてもらっていて、体も綺麗にして貰っていたので、夢かと思うけれど鈍い痛みが行為を象徴している。
そこで先輩と目があい、二人笑いあうと、そっとキスをした。


愛執染着
(俺の全てを貴方の愛で染めて)



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