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息も絶え絶えな俺に気を使ってか唇ではなく額や頬、喉仏などを辿り臍や手首などにも唇が降ってくる。
所々でまた新たな所有印が押されていったが、呼吸を整えることを最優先にしていた俺は、その小さな痛みにもあまり気づかずに今度は本当に息も出来なくなるかも、だなんて馬鹿なことを考えているだけだった。

「そういや、手首にキスって欲望だって知ってるか?」

「そ、なの?知らなかった」

俺の手首にキスをしながら、たぶん意識して挑発するように上目遣いでこちらを見る紅に、普段は俺が見上げる立場だから少しだけ変な感慨を覚えた。
そりゃ吸血種なんだから人間より体つきも良いし身長も高いしってのは知ってるけど。
だからこそ普段と違うそれにこんなにも興奮してるのだろうか。

「今、すっげぇ欲情してんだけど?」

「俺で・・・満足しろよ」

「有り難く頂くよ」

呼吸も整って紅の睦言に付き合っていると、もう大丈夫と判断したのか深く唇を重ねてきて、舌を絡めたり吸われたり歯茎をなぞられたりする。
やっぱり少し苦しいとは言えその倍以上の愛情と快感が得られるのはいいものだ。
ここまで来たら恥も糞もねぇと積極的に目の前の体に少しの隙間も出来ぬよう縋りつく。

「おいおい、解さなきゃいけないんだ」

「わか、ってる」

恥も糞も無いと本当に数秒前に思ったことだが、いざその準備をされるとなるとやっぱり返事に詰まる。
紅に縋りつく腕の力を抜くと、体をずらして両足首を持つと大きく広げる。

見られている、視線が、ダメだそれだけで。

思考ですらまともにならなくて、ただ今は紅から与えられるものを享受するだけだ。
トロリとした液体を掛けられれば、常温で保管されていたとはいえ人肌より冷たくて体が寒さで少しだけ震える。
その液体に温度を分けるように大きな手で俺の孔に塗り込まれていく。

「あっ、んぅ!」

「大丈夫、な?・・・指入れるぞ」

宣言された言葉と共に中に侵入してくる指を押し返す力が働くもののゆっくりと奥まで入っていき、やがて根本まで飲み込まれたようだ。
何回しても最初はきつくて、怖いけれど優しい紅の手つきによってその恐怖も少しは軽減されているので、多分だけど初めてよりはましだろう、いろいろ。

「ひぃ、あ、あぁ・・・っ」

「痛くないか?ゆっくりするから大丈夫だ」

「うん、だぃ、じょーぶ・・・」

またローションを注ぎ込んで、そして滑りが良くなった中を自由に動かしていく。
広げて解して、そこから湧き出る快感の泉を掘り起こさなければいけない。
探る様な動きも次第に大胆なものへ変わり、指も増えて感じるところばかりを触られて。

なんか本当にもういいよってぐらいに解されればようやく抜かれる指。
今日はどうやらバックでするみたいで、俯せになって腰を高くあげる体勢を取る。

「挿れるからな」

「うん、きて・・・」

中へ侵入してくる質量のある、指とは比べ物にならない紅のモノ。
身体を貫かれる感覚も、やっぱり何時になっても慣れなくて近くにあった枕を必死で抱きしめて縋れば、亀頭の部分も入り込み、根本まで埋め込まれたそれ。

「はい・・・ったー」

「雰囲気ぶち壊す声出すなよ、透」

「し、つれいな!萎えてないんだからいいだろ」

「お前の中に入って萎えるわけねーだろ」

「・・・何て答えりゃいいんだよ!」

「逆切れすんな、とりあえず最初のおっさん臭い声はやめろ」

「俺より親父っぽい人に言われたくないし」

「親父だったらこんなに凄くは無いと思うけどな?」

「ひっ、なんで、いきなりぃ・・・うご、あっぁ」

孔が切れなかったことに一安心して、軽口を叩いてたのも束の間。
紅のモノが中をかき乱していき、狙いは俺の気持ちいいところで、刺激されるたびに紅のを強く締め付けてしまい更に固くなって熱くなるソレ。
時々呼吸が止まる様な感覚に陥ると動きは多少ゆっくりになるが、安定するかと思えば欲望のままに腰の動きを速める紅。

突かれる度にシーツに乳首や俺のやらが擦れて刺激となり俺を快感で満たしていく。
なんだか自慰してるみたいな気分にもなって一層羞恥が強くなり、紅のを締め付けると言うある意味ではとても良い状態のループ。

「はぁ、あぁ、っんぅ・・・紅、紅!」

「透・・・好きだ、愛してる」

精神的な欲情により、愛の言葉や紅と言う俺の大好きな人の名前を声に出す度に今与えられているのとはまた別の快感が生まれる。
俺のものがもう弾ける、という時に紅の名前を呼べばやはり我慢が出来なくてシーツがどんどん湿っていく感覚がする。
まあ先走りの蜜がとかでもともと湿ってたけど、今はもうぐちょぐちょだろう。

そんな中でもまだイってない紅の動きは止まらず、なんかよくわかんない仕返しに意図的に紅のを締め付けてみた。

「くっ・・・透」

「紅!なかぁっ、出して」

紅のモノが弾けて、中へ注がれる感覚を味わいながら俺の上に重なる様に倒れた紅に重いよと文句を言う。
中から紅のを抜いて、ようやく上から退いた紅にきつく抱きしめられる。

「気持ちよかっただろ」

「もっと、なんか雰囲気を考えろ馬鹿紅」

「透の中も気持ちよかった」

「・・・だからどんな反応すればいいんだよっ!」

「可愛くありがとうって言えよ」

ムカつくから、紅の耳に言われた風に頑張って可愛く吐息を混ぜてありがとうと言う。
その後耳を甘噛みとは言えない強さで噛んだのも、俺なりの可愛さだ。

もう少し黙ろうか
(話が出来るならもう少し喘がせてあげましょうかね?)



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