本を読む真剣な横顔。
時々グラスに注がれたワインを飲むときに動く喉仏。
みなさん、事件です。
俺の旦那さんがエロかっこよすぎます。
普段は一々動作がキマってるなぁ、ぐらいで眺めていたのに、なんだか今日は無性にエロく見えて仕方ない。
というかああもう、なんで今日に限って鎖骨が丸見えな洋服とか着ちゃうのかね?
そうして、ふいに鍋からグツグツと音が聞こえてきたので慌てて調理へ戻る。
俺どんだけ熱心に紅のこと見てたんだろ。
考えてみると恥ずかしすぎる。
煩悩を払う様に軽く頬っぺたを叩いて火を弱める。
そうして暫くすると今日のメインディッシュである牛肉のトマト煮込みが完成。
「紅、料理出来たからそろそろ本読むのやめて」
「わかった。今日は?」
「牛肉のトマト煮込み」
お肉が好きな紅はくしゃっとした笑みを浮かべて。
ああもうなにキュンってしてんだし!
それから相も変わらず料理を褒めまくる紅に照れまくりな夕食を終え、俺は早々にお風呂へ入る。
なんか今日おかしいから冷たいシャワーを浴びてみた。
まったく効果がかったけど。
今日おかしいぞ、と思いながらも紅に風呂と声をかける。
すぐに風呂に入りに行った紅は、どうやらまたワインを飲んでいたらしくボトルがテーブルに乗っていた。
ソファーに座って最初は雑誌を読んでいたのだけど。
その時何を思ったかはわからない。
何故がそれが無性に気になって、ボトルを掴み、そのまま喉へ流し込む。
喉奥が熱くなって、少しだけ痛くて、頭がぼーっとしてくる。
それに妙に身体が熱くて、これが酔ったってことなのかな。
良い気分のままもう一度ボトルを掴んだ。
「・・・透、おい、」
「んぅ・・・こ、う!」
結局半分ぐらい残っていたワインは全て俺の体内へ。
もうなくなっちゃたなぁ、ってぼんやり考えていたら紅の声が聞こえ、て。
なんか、エロさが半端ない。
これがエロスってやつなの?なんなの?
髪から滴る雫が首筋を濡らす。
気付いたら紅の指に己のを絡まして、俺の口元まで持ち上げて。
そっと武骨な手の甲に唇を落とす。
驚いたように目を見開く紅に空いた方の手を伸ばし、その頬に触れる。
そうして美しい瞳を見つめながら、衝動のまま呟いた。
「抱いて」
それからは、もう。