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※既に付き合ってる設定


僅かに漂う香りにドキドキして、意味もなくゴロゴロする。
そんな俺を見る東雲の、鋭く光るその緑の瞳に・・・

「シャッターチャーンス!」



どうもどうも、フラグクラッシャー昶でっす!
ご機嫌いかがかな世のお姉さま方!

ただいま俺は正座しています。
ちょっともう足がピリピリして限界なんですけどね、我慢です。
それ以上に心のほうが限界なの!!
なんたって昶くんの心はとーっても繊細なんだから!

「東雲きゅーん」

「何?」

「そんな顔しないでー!イケメンだけど!」

そう、イケメンなのは変わらないんだけどね、なんか雰囲気怖いっす。
だけど東雲の新しい一面って感じで珍しいから一枚写真を撮ってみる。
なんかいい感じの雰囲気出てるぞ、こいつ・・・どこまでイケメンなんだ!

なーんてふざけてみるけど、やっぱりあんま乗ってきてくんないしやっぱりそろそろ心折れちゃいそう!
今日は街中をデートした帰り、東雲の家に遊びに来て、イチャイチャしてさぁ・・・

まぁ、その、ね?
恋人となったからには、いろいろと、いろいろとするのはわかってる。
だってもうちゅーもしたし、そこらへんはちゃんとわかってるし、拒絶してるとかそうゆうこともないんだよ、勿論。

だけどね、やっぱり俺はさ、カメラが好きなわけで?
絶好の被写体がそこにいるから身体が勝手に動いちゃうわけなんですよ。

たぶん、その、さっき東雲のベッドでゴロゴロしたときに東雲がそうゆう気分になったんだろうなってのは見ればすぐわかった。
でも、その雄って感じの表情がまた一段とイケメンで男前だったわけで。
俺としてはやっぱりシャッターチャンスってわけでして。

そんなこんなで今の不機嫌な東雲様になられてるわけなんですよ。
もっといちゃこらしたいなーってのは俺も思うし、まぁ雰囲気壊したのは俺とはいえこんな気まずいままとか嫌だし。

どうすれば、東雲の機嫌は直るのか。
考えに考え抜いた俺の答え。
それは題して、「東雲、俺のこと好きにしていいよ?だから機嫌を直して!大作戦」

不機嫌な時であろうと紳士でイケメンなのは変わらないから、ある程度しつこくいっても大丈夫だろう。
ねぇねぇ構ってって色気を出して誘ってくる恋人を見れば、然しもの不機嫌東雲様も少しは心が揺らぐ、筈。
その時にちゃんと謝って、その、好きにしてもらおうと、思います!
うぅ、恥ずかしいものですな・・・

だがしかーし、ここで一つ問題なんですよ。
色気って、どうやってだすの?
甘えたな感じでいくのもさ、加減を考えなきゃうざい構ってちゃんだし。

俺もふざけてるけどさ、嫌われるようなことしたくないしもっと好きになってもらいたいし、とどのつまり俺は東雲のことだーいすきってわけですよ。
色気、色気、思わず襲いたくなっちゃう大人の色気・・・

「・・・昶?」

「どーした?・・・あっ、」

東雲の真顔を見てようやくすべきことをを知る。
やっぱり誠意が一番大事。

ぼんやりしてる俺のこと、こうして名前を呼んでくれるってことはちょっとは機嫌も良くなった、と信じてね。

「あのね、東雲さん」

「・・・なに?」

「東雲の顔も好きだから写真撮るの我慢できなかったんだけど、俺東雲の性格とか、内面的なとこも大好きな、の!だから、ちょっと、寂しい・・・です」

そんで最後にごめんなさい、って言って抱き着いた。
ぎゅーって力を入れて、だけどちょっと怖かったから目もつぶってた。
そしたらね、ちゃんと抱きしめ返してくれたんだよ、あーイケメン!!
やったね大成功!

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