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あの食堂での一件以来あまり食堂へはいかずにカップラーメンや寮内にあるスーパーのお弁当で耐えていたがやっぱ駄目だ。
栄養的な面では当たり前に身体に悪いし食べる種類というか味が決まってパターン化しているので飽きた。

そんな時夢の中にまた神様が登場して俺に言ったんだよ!!ハンバーグ食べろって。
前回のオムライスに今回のハンバーグって子供っぽいって言われても好きなものは好きだから仕方ない。

久しぶりの食堂の料理に思いを馳せながらもまた毬藻くんや生徒会さんたちに会ったらと思うと頭が痛い。
あの副会長の下品な話(勘違い)を聞かされるのかもしれないと思うと憂鬱だし。
それでも神様にハンバーグ食べろって言われたから絶対に今日は食堂へ行く!!
そんな話を長々と友人に話していたら返事というか感想を言ってくれたけれど何を言っているかわからなかった。
もう一回、わんもあぷりーずって頑張って言ってみたけど授業始まるぞって素気無く返された。ショックだ。

授業が終わり食堂に行こうと友人を急かしたけれど今日は行かないと言われた。
仕方がなく一人で廊下を走ると騒動を見ていたであろう人たちの視線が突き刺さる。
視線を下にしてなるべく視界に入らないようにして走っていくとすぐに食堂について一安心。
空いている席に座りささっとハンバーグの文字を見つけるとすぐに注文。今日は和風の気分で和風ソースのおろし大根つきにしてみた。

今日は生徒会さんも毬藻くんも居ないみたいだから比較的食堂内は空いていてすぐに料理が運ばれてきそうだ。
待ちきれずに置いてあるスプーンやフォークを片手で弄りながらボーっとしているとウエイターさんが美味しそうな匂いをしているそれを運んできてくれた。
料理が机の上に置かれると同時に入り口の方で物凄い歓声というか悲鳴が上がって一瞬ビクッとしてしまう。
視線をそちらに向けると凄い身長差のある例の人気者ズがきてしまった。
やべーと思っても最早後の祭り、目の前には湯気を立ててその食欲をそそる香りを撒き散らすハンバーグ。
まあ気にせずに食べればいい、まず普段は顔もスポーツも勉強も目立たないで生活しているのでもう忘れられているだろう。
とにもかくにも今の俺の使命は神様からのお告げであるハンバーグを食べればいいのだ。
そう決心すると行動は早いものですぐに柔らかいそれにナイフで食べやすいように切り分けると出てくるのは肉汁。目を輝かせそれを口に含むと

「貴様!!この前は無礼なことをやらかしてのこのこと会いに来るなどふざけているのかっ!?」
「・・・別に会いにきてはないんじゃないー?」
「あ、この前の奴だな!?今度はちゃんと俺の話聞けよ!!謝れば許してやるから!!」

上から副会長、会計、毬藻くん。なんとまあ豪勢なメンバーなのだろうか(棒読み)。
相手などせず目の前のご馳走をはやく食べたいのだが。一口目でストップって余計にいろいろと辛いものだこの野郎共め。
そしてまず話し自体を聞いていなかったので聞き間違いも起こらないがどういう反応をすればいいのかもわからない。
とりあえずこんにちわと言ったら副会長と毬藻はまた下品なこと(聞き間違い。でも暴言)を叫ぶし会計は腹を抱えて笑い出す。
どのような反応をすればいいのかやっぱりわからないのでとりあえず二口目のハンバーグ。マジで美味しいシェフさんたち神だ。

「何食べてんのー?」
「見ての通り和風ハンバーグです。マジで美味いです」
「そうなのー、俺も頼もっかなー。てか話通じた、びっくり!」

わざとらしく驚く会計さんに俺もびっくり。副会長さんのせいで生徒会全員の声が聞き取りにくいと思っていたが違ったようである。
嬉しいようなどうでもいいようなところであるがとにかく驚いた。

「そりゃけっこうな難聴ですけど普通に話せますよ」
「まあそれは良いに越したことないけどさ」
「まーそんいーぐるないさー?」
「・・・・・」
「・・・・・」

新手の技名かと思って聞き返すとため息をつかれた。あ、やっちまったぜテヘペロ。

「おい!!こちらの話を聞け!!」
「オナラ!?コアラのマーチ?」

あー、コアラのマーチ食べたくなってきちゃったと思ったところでまたやってしまったぜーと目の前の副会長を見る。会計を押しのけ黒ぶちのメガネの奥から物凄い目で睨んできて怖いよお母さん助けて。

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