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さぁ、どんなお話をして欲しい?
思いつかないから、とりあえず俺の話でもしようか
時は既に太陽が真上まで登ってしまった頃。
今は春休みなので
先月書き終った物語は、今日書店に並ぶはずだ。
「行ってみよっかなぁ…」
動くのは凄く、物凄く面倒だけどやることないから近くの書店に行ってみることにする。
もそもそと体を起こすと変な格好で寝ていたせいか腕を伸ばしてみるとポキポキと音がする。
天宮時雨、今月から高校に入学する。
あと一週間ほどで学校に行かなきゃいけないのでそろそろ生活態度を改めねばならないけど寝たい時に寝たいだけ寝れるこの期間はあと少しだと思うと残念だ。
とりあえずパジャマから私服に着替える。
ラフなTシャツに黒いズボン。
少々肌寒いのでそこらへんに落ちていたパーカーを羽織る。
ズボンのポケットに財布だけ入れておく。
家を出るときに母親に「あんたが休みの間に外に出るとか…今日はもう洗濯物を入れとくわ」だなんて言われた。
それに言葉を返すのも面倒臭くてスニーカーを履くと無言で外に出た。
思った以上に寒くて体を温めるようにパーカのチャックを閉めてポケットに手を突っ込む。
「あ、携帯忘れた」
書店までの道のりにある桜並木が見えたところで携帯を忘れたことに気付く。
そうだ、財布しか持ってきてない。
「・・・・・財布だけでも重いんだから、逆によかったかも」
携帯って意外と重いんだよなあ。
最終的にはそんな考えに落ち着いてそのまま歩き出す。
どちらにせよ取りに戻るなんて面倒なことはしないのだけれども。
もう少し歩みを進めると、書店が見えてきた。
少々歩みを早めると信号が赤になってしまった。
「走った方が…疲れるな」
走った方が良かった気もするけれど疲れるから嫌だ。
ちなみに、運動は出来る方だ。
とゆうか小さい頃にボケーとしてて車に轢かれそうになってから親に武道を数個習わされた。
そのおかげで喧嘩もまぁまぁ出来る。
掌とかが痛くなるから絡まれたとき以外しないけど。
信号が青になるのと同時に足を進め、書店の中に入る。
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