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「大体、今日は部活もあるんでしょう」

「大丈夫だってー!さとーせんせーが早く行かせてくれたらー」

「・・・・先生、駄目ですか?」

もう面倒臭い、なんでもいいから帰りたい。
先生だろうと先輩だろうとどっちでもいいからさ。

「・・・まぁ、天宮君が言うんだったら」

「じゃあいきましょう」

さっとベッドから飛び降りる。
ちょっと足元がふらついたけれど先輩に支えられて大丈夫だった。

そして荷物を持って俺に背を向ける先輩。

「ん、のれ」

「・・・・・・あー」

そういえばそうだったよ。
この人簡単に男相手でもお姫様抱っことかできちゃう人だった。
初日もこの恥ずかしい状態で保健室へ行き強制的に帰路へお供されちゃったんですよはい、もうやだ。

「どしたのー時雨?前はーこっちが良いって言ってたじゃーん」

選択肢を極端なのしか与えなかったのは一体どこのどいつだろう。
こいつの理不尽さに対する怒りが沸いてくるけれど残念ながら対抗する術を持ち合わせていない。

「えっとーあー、その、うん」

「?」

どうしてそこで不思議そうに首を傾げるのか俺には全く持って不明だよ、先輩。

おろおろしている俺に先生が気付いてくれたらしく空を数秒見詰めるとこちらに視線を戻した。

「天宮君はお腹と膝裏の怪我が酷いから下手に抱えないほうがいいよ」

「そーなんですかー?」

「うん。だからお姫様抱っことかは絶対ダメ。おんぶもやめた方がいいと思う」

折角の包帯が取れちゃうだなんていう。
流石保健の先生、信憑性が高いねと言いたいがこんなにきつく巻かれた包帯が取れる方が不思議で堪らないよ。

まぁ何はともあれ回避できたので先生ありがとう。

「じゃ、じゃあ先輩行きましょうよ。時間無くなりますよ?」

「ん、行こっかー」

「はい」

先輩が荷物を持ってくれているのでとっても楽だ。
でもこの状況部活帰りにたまに・・・というかよくある光景だよね、もう。
学生鞄は自分で持つけれどスポーツバッグは基本先輩が持ってくれちゃうんだよね。
もう足の怪我なんてとうの昔に治ったというのに。

「お大事に。で、五十嵐君はすぐ戻ってくること」

「ありがとうございます」

「はーい」

佐藤先生の笑みに見送られて保健室を退室する。
まぁ、先輩は早く帰ってこいの言葉に若干不満そうだったけど。




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