3


自分なりの解釈を終えると一先ず満足と黒板を見る。
それは教師が・・・いや、世間が一般的に解釈する内容であった。

そのまま文字を読んでみる。
そうだな、と思うところもあれば何故だと思うところもある。

動くのは面倒くさいけれども放課後国語科の準備室に寄ってみるのも悪くない。
そこでこの物語の解読をもっと詳しく聞きたいし語ってみたい。
そう思ったが、そういえば今日は部活の日だと思い悩む。

バスケットボール部は、先輩が入った年から全国クラスの強さを誇っているらしい。
この前の帰り道で自慢された。つまりは自分が強いと。
それはどうでもいいとして、とにかく結構強いらしい。
だから教師たちは学校のアピールポイントを伸ばそうとバスケットボール部優先で体育館をとっているらしい。

まぁつまり何が言いたいかというと日曜日と水曜日以外休みがないというのだ。
ちなみに昨日が水曜日だったので次にチャンスがあるとすれば来週ということになってしまう。


授業の終わりを知らせる鐘が鳴る。
挨拶をして教室を出ていく教師。

「・・・・・・・・・」

無言で席を立ち上がる。

白木とは席が離れているので他の奴等と話していてこちらには来ない。
昼休みや移動教室の時などは来るけれど向こうも新しいお友達作りで精一杯らしい。
というわけで邪魔者はいない。
いつも、ちょっととなりの女子が落とした消しゴムを拾ってやっただけで驚いて騒ぐのだ。
いったい俺をなんだと思っているのだ・・・と白木を思いだしため息をつきながら教室を出た。


              ******


意外と歩くのが早かったあの教師を追いかける。
しかし姿は何処にもなくて、次に授業が入っていたのかもしれないと気づき立ち止まる。

「・・・とんだ無駄足だったな」

まったく疲れることをしてしまったと思った。
だが、国語の準備室へはまだ行っていないのでもしかしたら居るかもしれない。
今更ながらに気づいたが自分は歩くのが遅い方である。
あの人が速いとかじゃなくてただ単に自分が遅いことに気づいて頭を掻く。

「まぁ、行くか」

そう小さく呟いて準備室の場所を探す。
またまた今更ながらだが準備室の場所を知らない。

階段の近くに案内板があったなと思いそちらへ足を向ける。


階段の傍へ行くとちょうど次の授業の合図が鳴る。
廊下に出ていた生徒たちは一斉に教室の中へと駆け込んでいく。
その勢いに若干うんざりしながらも案内板に準備室はこの下の階だとゆっくりと降りた。

[前へ 目次 次へ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -