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とりあえずよくわからないミーティングは終わったので午後の授業は何処で寝ようかとフラフラする。

無駄な体力を使っただけのミーティングとやらは結局前半しか俺に関係なくて後半は半分寝てた。
霧ヶ峰先輩は終始睨んできたので、只でさえ五十嵐先輩が隣にいて疲れるのにさらに疲れさせられた。



空いた窓から入ってきた風に引かれるように外に出ようとした時に、お腹が小さく鳴る。
ずっと寝ていたとは言え思った以上にエネルギーを消費していたらしい。

購買はどっちだっただろうか。
今は授業中だからやっていないだろうか?

まぁ、いろいろ思うところはあるけれどそこらへんに書かれてる案内板みたいなのを見て歩みをすすめる。




「・・・・・・」

ここが購買か・・・

所要時間約2分。
普通の高校でそんな歩くはずもない。

昼飯は何が一番食べやすいだろうか。
ここには、どのぐらいの種類が売られているのだろう。


そんなことを考えていたのだが。
昼休みで殆どが売り切れてしまったらしくもう何もない。


しかし、ここで諦めるかと言ったら答えは否だ。
お腹がすいて力が出ない。
某ヒーローの名言を少し改造して思い出す。


どうしようか、もう帰ろうか。
だが母さんに怒られる。

ではコンビニに行って何か買ってくるか。
校門を出たところを絶対誰かに見られる→先生かもしれない→捕まえられる→怒られる。

・・・・・ではどうしようか。


普段あまりこんなこと考えないので頭が上手く回転しない。
エネルギーが足りていないのもあるのだろうけど。


考えていると女性の声。
誰だ、俺は今真剣に悩んでいるんだぞ。

「あら?授業は出ないの?」

「馬鹿な先輩のおかげで昼休みを潰されたので食事を取れなかったんです」

いや、先輩来てなかったらずっと寝てて5限目ぐらいに腹が減ったって言って白木を殴ってた。
しかしそんなことを正直に話す訳もなく馬鹿な先輩のせいに。

「まぁ・・・可哀想に。私のお昼用に残しておいたの、いる?」

「え、いいですよ」

流石に女性の食べ物を横取りするほど飢えているわけでもないのだ。
とは言ってもさっきからお腹は鳴りまくりだが。

「いいのよ。私はこれで帰るから家に帰って食べれるし」

そんなこと言ったら自分も帰ればいい。
どうせ授業になど出ないのだから。

「大丈夫ですよ」

「いいから、はい」

優しく笑いながら近づいてくる。
そう言って2つのパンを手渡してきた女性に、さっきまでの苛々をも吹き飛ばしてもらった。

空腹とストレスを一気に解消してくれるなんて・・・
どっかのバカとは大違いだ。

なんて思いながら

「ありがとうございます」

白木が見たらこんなの天宮じゃないと言われそうな笑顔を浮かべてお礼を言った。




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