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「おー・・・は、よー」
こちらも気が抜けるような朝の挨拶に適当に返す。
靴を履き替えていると隣に立っていた白木が倒れてくる。
「・・・おい、起きろ」
「え?俺寝て・・・いつのまに学校来てたんだ!?」
とりあえず頭を叩いて先に校舎へと入っていく。
「ちょ、おいてくなよ!」
普通にスルーして足を止めることなんてない。
後ろからバタバタとちょっと派手な音がするけれどまたまた無視しようと思っていたらいつのまにかとなりに並んでいる。
「なー、お前あの五十嵐先輩と来たって本当?」
「そうだけど」
「すげーな、おい。」
「あの先輩の何がすごいって言うんだ」
人の話を無視して自分の都合にいいことしか聞こえないっていう
素晴らしくムカつく耳をもっている、あの野郎をどうしたらすごいって言えるんだ。
「顔よし性格良し運動神経よし、結論モテモテー」
「顔はいいのと運動神経がいいのは認める。が、性格悪し。言い換えとけ」
「今この学校の女子の半分を敵に回したよ、君」
「だからなんだ」
「えー、お前高校になったら彼女作るとかしたくないの!?」
「どうでもいい」
今のところ興味があるのは小説だけだ。
まぁ、一応部活にも入ることになったから多少のバスケへの興味はある。
久々に体を動かし、こんな状態の足にしてしまったのはまぁ置いといて体を動かすのも篭りっぱなしだったからよかった。
母親に毎日ひきこもり、キノコ生えてきそうと言われたのは流石に辛かった。
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