10
通学路には俺と同じ新入生や先輩と思われる人たちがたくさんいる。
近くで電車で二駅その後徒歩5分の場所にあるこの高校は偏差値的にも俺にちょうどよく、なかなかの優良物件だった。
校門を潜ると大きな白い板にクラスが書いてある。
いったい俺のクラスは何処だろう?
何人か俺と同じとこ受ける奴いたからそいつらと一緒だったら俺の性格とか知ってるから便利だなぁ…
だなんて考えながら視線を前に戻すけれど、如何せん目の前は明らかに俺より背の高い奴。
そしてその前には女子が塊となって「きゃー、一緒のクラスジャン!!」「マジでぇ!?よろしくぅー!」だなんて煩く喚いている。
クラス見たんならさっさと消えろ…
そう思いながらも何とか前に進めたのでよしとする。
俺は…1-Cですか。
他の奴等も見るけれど…あ、コイツの名前どっかで聞いたことが…
「よ、天宮。同じクラスか」
「・・・・白木当麻?」
「・・・・何故に疑問形?」
「知らないから」
そう言うと、目の前の人物はあからさまに肩を落とす。
「お前…1,2年の時同じだっただろ」
「あ…だから名前は聞いたことある気がしたんだ」
溜息をつく、相手。
「いや、もうお前はそう言う奴だったな」
そうですよー。
これ言ったら怒られるな。
[
前へ 目次 次へ]