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それから毎日詩を考えてみた。
恋の詩など、全く思い浮かばずいつも通りの風景的な詩ばっかり書いた。
詩は気が済むまででいいと言われたので、もう気が済んだので昨夜原稿のデータを送っといた。
小説は相変わら基本設定も、何もかも思いつかなかった。
中川さんの優しさは嬉しいけれども無期限は無期限でいろいろとプレッシャーあるからなぁ…
って、あれこれ考えてたら何時の間にか学校へ行くときになっていた。
カレンダー見たら入学式の日に母さんがつけたと思われる赤丸。
・・・・・マジかよ
あの日から一回も外出てないんだけど。
それはいつも通りか。
なんて考えて、新しい制服に袖を通す。
女子と違って制服なんてどうでもいいから何にも思わない。
ちなみに母さんはなんかやたらと叫びながら高校の制服を着て父親に怒られたらしい。
笑いながら話を聞かせてくれた。
・・・・・アホらしい。
「母さん、朝食何?」
「コーンスープ」
あんたいつも朝はあまり食べないからね。
と言われてそれに「ああうんそうだね」なんて言いながら席に座る。
お腹に優しい温かいスープを飲みながら、今日は早く帰れるのかなぁ…なんて考える。
初日から午後もなんてないけど、担任の話が長くて早く帰れないなんてことがあったら俺泣くかも。
それを母さんに言ったら息子に向かって「あんたは血も涙もない奴だから大丈夫」と言われた。
一体何が大丈夫と言うんだろう。
もう、時間だ。
朝は低血圧気味で動きたくない。
まぁ、それはいつも同じだろと言われたら反論できないけど本当に朝は特にだるい。
「ほら、早く行きなさい!!」
そんな母さんの声に押されて玄関へ向かったのだった。
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