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コンビニでプリン、モンブランなどのスイーツを買って帰った。
今のコンビニはなかなかにおいしいものが売ってあるので嬉しい限りだ。

ちなみに本は滅茶苦茶売れてるので金には困ってない。
なんてこのご時世で言うのはあれだけど、そこら辺のサラリーマンよりは稼いでるんじゃないかと思う。
とりあえず学生の割には金を持っている。



俺の父親は超現実主義者で金が大好きだ。
だけど、人の稼いだ金には興味がないらしくもっともなことを言って子供の金を取り上げるような人ではない。
まぁ、自分の通帳とか中学で渡されてるから逆にそっちが管理しててよとも思うけれど。



とりあえず何を食べようか。
まぁ、やっぱ初めはモンブランだろ。


今日も一日ダラダラ過ごして終わりだろうなぁ…
なんて思いながらスイーツを食べ終わってベッドへ転がる。


このまま寝てしまおうか。

満腹後の気怠い空気を切り裂くのは携帯の着信音。
眠気が一気に引いてとりあえず誰かを確認する。


あ、担当の中川さんだ。


たぶんもう次の仕事が入ったんだ。
売れっ子は辛いわーだなんてふざけたことを思いながらも顔の筋肉は一ミリも動かずに耳に携帯を当てる。


「あ、時雨くん出るの遅いよ」

あれこれ考えながらゆっくりとしてたので確かに遅かっただろう。
どうでもいいことしか考えてなかったけど。

「すいません。で、どうかしたんですか?」

「うん。とりあえず新刊も凄い売れ行きだね。近いうちに重版かけるかも」

「ありがとうございます」

「で、こっからが本題なんだけど。今度切ない恋の話を書いて欲しいんだ」

「切ない…恋?」

失恋物語を書けばいいのか?
どちらにせよ恋愛話を書くのは苦手だ。
頭の中で話の初めを考えたことはいくらでもあるけれど恋愛物語は途中でいつも諦めてしまう。

「そう。女性ファンから恋愛物語を書いて欲しいって結構ファンレターとかに書いてたからさ。時雨君だったら切ない系の話の方が書きやすいんじゃない?」

そりゃ甘い砂糖みたいな話は特に少し想像しただけで止めてしまうけれど、切ない系なんて想像すらしなかった。
俺の想像だと甘くて熱いものだと思うし。

「途中で諦めるかもしれませんし、凄く時間かかるかもしれませんよ?」

それでも良いのかと暗に問いかけると

「勿論。それに時雨君最近他の出版社でも書いてるみたいだし、只でさえ忙しいでしょ?」

「まぁ、はい」

純粋に心配してくれるのは悪くないものだ。
まぁ、それがいいなぁって思って中川さんを担当さんにしてるんだし。




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