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ゆっくりと目を開くといつもの自分の部屋の天井が見える。
暫く呆けて、目覚まし時計を見るといつもアラームが設定してある時間の一時間前。
ってことはこれは夢だろうか。

昨日の出来事は、夢だったのか。

違う、昨日は本当の出来事で。
ならば先輩と俺は、両想いとゆうことか。

昨夜、家に帰ってきたときのことや、寝るまでの間の記憶が無い。
どれだけ自分は舞い上がっているのだと、両想いの単語を思い浮かべるだけで熱くなる頬をどうにかしたいものだ。

時間があるからと、パソコンへ向かう。
ほぼ真っ白な画面が少しずつ黒で染まっていく。


恋に落ちるのは案外簡単で、想いを無かったことにするのは難しい。
だから私は、どうしても、どうやっても先輩への想いを諦められなかった。
今あるこの想い。有を無にするのは、もう私が死ぬぐらいでないと出来ないの。


なんだか少し怖い。
だけど、これは本当なんだ。
想いを消すことなど出来ない、消すのならば死ぬしかない。

これぐらい全力で愛すことのできた相手が男で、先輩だったなんて。
まさか自分が、なんて驚くことしかできない。
既にそんな自分を受け入れてはいるけれど、正直たまに自分が怖くなる。

先輩は、そうゆうのないのだろうか。
俺のことを好きだって言って、抱きしめて、キスまでしてくれた。

俺の場合は母さんがちょっと特殊だからだけど、先輩の場合はどうだ。
透子さんは、普通に結婚して家庭を持ってもらうのが望みな筈だ。

ああ、もう俺はバカか。
なんで永遠なんかを簡単に信じるんだ。
そうやって結婚がどうのこうのって問題になるような歳まで先輩と居るつもりか。
もしかしたらそうなるのかもしれない。
だけど俺が男なんて、となるかもしれないし先輩の場合もある。
男女でさえ些細なすれ違いですぐに別れゆくのが恋愛だ。

当たり前のように先輩と共に居る未来ばかり描いてしまう。
舞い上がってる証拠だ。

嗚呼だけど永遠が欲しい。
舞い上がった心で、冷静に考えられないままに思う。
でも、きっとどんな状態でも、冷静でいようとも俺は永遠を望むのだろうけど。

どんな結果になろうとも、この想いが続く限りは傍に居れたらいいな。
なんてどこの少女マンガだと言いたいけど、これに限っては本心でしかない。

自分のことを考えていたのに、パソコンの画面は沢山の黒で埋まっていた。
まぁ、この小説は自分のことを少女に見立ててのものだけど。
それでも考え事しながらこんなに書けるって・・・。
もしかしたら、自分のことを考えていたから無意識に指が動いたのかもしれないけど。

ふと時計を見たらいつも起きる時間になっていた。
そろそろ学校へ行く準備をしよう。



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