ネタバレ | ナノ



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巫女は近い内に侍の家で反乱が起こるが、遥か東の山奥の村に逃げ延びれば命だけは助かると予言した。

侍は予言の内容を信じていなかったが、家中では不穏な空気が漂っていた。そして常日頃から不満を抱えていた家臣は、統率力が弱まった所に漬け込み、ついに謀反を起こす。

侍は居城を燃やされ、連れていた数人の味方も皆殺され、身一つで逃亡した。そして巫女の予言通り、山奥の村に逃げ延びる事が出来た。

戦とは無縁の生活を送っているらしい村人達は、侍の事を暖かく迎え入れた。
その中でもよく世話をしてくれた女が居り、やがて事に及ぶ。

それから月日が経ったある日の夜、村人達とも仲良くなり、すっかり平和な暮らしに慣れていた侍の元に、敵の軍勢が現れる。敵の大将は侍を引っ捕らえ、侍を匿った村人達も同罪として村に火を放ち惨殺した。

侍はこの場所に自分が居るのを知っているのは巫女だけだと、密告したのは巫女だと確信し、憎しみの中で首を跳ねられ死亡した。

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それから生き残った村人達は、里を捨て、新たな土地に移り住んだ。
侍が、余所者が来なければ平和に生活出来ていたのに、皆がそう思っていた。同時に侍の祟りを恐れ、石塔を建てて侍を封じた。
そして余所者が来ても受け入れず、必ず村の外へ追い出す戒めを作り、子孫に伝えていった。

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