開戦前夜
いやいや、おはこんにちばんわ。如月梓捺っす。二年の夏休み終わりあたりに両親が海外に行くことになって、私は親戚のおる大阪に越してきた。…いや、『戻ってきた』が正しいんやけどな。ま、ええわ。とりあえず今は両親からの、毎月の仕送りで高2の兄やんと二人で暮らしよるんや。親戚の家には住みたくないからな!兄やんが料理できるし助かったわ。シスコンやし。あかん。全く関係ない話してもうた。話戻すけど、大阪に越してきてからは、近くにあった四天宝寺中に通うことになった。お笑いは大好きやからな、苦でもなかったし。四天宝寺中の生徒はみんな良い奴ばかりやったから、すぐ友達もできたわ。そのなかでも、テニス部の白石蔵ノ介。こいつとめっっちゃ仲良くなってしもうた。転校してきてから、ずーっと絡んできよったからな。なんでやろーって、思いながらも仲良うやっとった。そして三年にあがる前。理由が分かったんや。『頼む!テニス部のマネージャーになってくれんか!?』ベターに、体育館裏に呼び出されたと思ったらそう言われた。確かに何の部活にも入っとらんかったんやけど、急すぎるわ。せやから、『あかん。急すぎるわ、考えさせてぇな』って返したら、蔵『ええやろ!俺とお前の仲やん!夕日の差した河川敷で毒草に囲まれながら《二人でボケとツッコミを極めて海賊王になろうな》って話もしたやん!』『アホ!ちゃうわ!海賊王なんてなれるか!私は征服王になろうって言ったんや!ちゅーか、あそこ毒草だらけやったんか!はよ言え!』蔵『あ、そやったか?』『ほんま、最近抜けとるなぁ…』 蔵『なっ!俺はまだフサフサや!!』『脇の話ちゃうわ!』 蔵『頭がフサフサやゆうたんや!』『…はぁ、蔵ノ介は私がおらんとダメみたいやな!いいわ!どうせ暇やしマネージャーやったる!』とうとう折れてしまった。蔵『ほんまか!?梓捺大好きやー!』『ぎゃぁあああぁ!!抱きつくなやぁああ!!』?『ピンチヒッター☆スピードスターの登場や!』物陰から急に出てきたのは、蔵ノ介と同じくらい仲の良い忍足謙也。『謙也!ちょっ、たすけてぇな!』謙『それはできん相談や♪』『あはっ、ちょ!うは、くすぐんなやっ…あはははは!』唯一の弱点である脇を攻撃されて為すすべなし。蔵『これで少しは楽になるわぁー(特に金ちゃんの世話)』謙『頑張ったかいがあったな!』『お前らグルやったんかぁぁあははひはっ!!』と、まぁ上手いことあの二人にハメられたのが、先週のことや。まぁ、蔵ノ介と謙也とおると楽しいから別にええんやけど。問題は他の部員のことや…上手く馴染めるやろか? まぁ、明日から部活あるからとりあえず今は寝る。ぐんない。.[ 1/4 ][*prev] [next#]
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