三年二組の様子




おはようさん、と白石が少し元気無さ気に教室に入ってきた。
そのまま校庭を見つめる白石は溜息でも出るんじゃないかっていうくらい元気が無かった。

「白石?なんかあったん?」
「んー?別になんもないでー。」

あぁ、そうか。
「白石、自分あれやろ、テニス部今日朝練無いから元気ないんやろ!」
「ん?あぁ、せやで」

うっしゃ当たった!俺凄ない!?
テンションがあがった所で担任と華ちゃんが一緒に教室に入ってきた。
先生にはい、わかりました!って元気に挨拶してから席に着いた華ちゃんは今日も元気らしい。

一時限目は数学やった。
浪速のスピードスターの名にかけて一番に問題終わらせたったわ!

『謙也君ホントに凄いねー、今度数学教えてくれないかな?私苦手でさー』
困ったような笑みを浮かべる華ちゃんはまるで天使。いや女神や!

「もちろんやで!!」


二時限になる前に白石が女の子に呼び出しくらって屋上へ行った。
こういう時、いつも俺がフォローに回る。
いつも保健室に頻繁に出入りしとる白石を理由に「白石くんは保健室にいきました」とか「保健室の先生に呼ばれて行きました」とか、そんなもんやけど。
大抵女の子に呼び出しくらってもすぐに教室に帰ってくるんやけどな?今日はなんか帰って来ぉへんかった。
顔を覆って廊下を走り去る女の子が見えたからきっと、っちゅーかもちろんふられたみたいやった。
白石に告白なんて、無謀やっちゅー話や。
まぁ、そんな俺も無謀な事しとるけどな・・・華ちゃんに告白・・・してもスルーっちゅーか、いつも捩れて伝わんねん。
千歳やユウジ、白石にもっとはっきり気持ちを伝えろって言われんねんけどなかなか言えへん。
いや!俺は言うてるつもりやで!!
っちゅーか皆華ちゃんの事好きっちゅーわりに俺のこと応援してくれるよな。どうなってんねん。
あれか、俺がふられたらその直後華ちゃんを食うつもりやねんな!?
そうはさせへんで!!!


「忍足、起きんかい!!」

ゴンッ!!

「あっだぁぁぁああ!!!」


いつの間にか居眠りしとったみたいで教科担任に教科書の角で殴られた。
痛い。
ふと華ちゃんのほうをみるとなんやきらきら笑ろてる。え、可愛ええ。



俺が教科書の角で殴られたのが可笑しかったのかクラスメイトはまだ笑ろてる。
そのクスクスとした笑い声の中授業終了を告げる鐘が鳴り響いた。

俺お気に入りの消しゴムが教科担任に没収されたんに気付くんは次の時間の終わりごろやった。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -