女って…



ドアを開けようか迷った末に結局開けなかった。

開けても仕方ないじゃないか。それに、女はもう懲りたはず。

女なんて信じられへんやん。簡単に嘘つくし態度コロコロ変えるし。もうそんなんウンザリやねん。
なのになんでまた"女"に惹かれてんねやろ…


謙也が好きなあの子だって化けてるかもしれへんやん。因みに言っとくと千歳も俺も財前もあの子の事好きやないで。他の男子は狙っとるみたいやけどな。
ただ、謙也の場合ヘタレやさかい。こう追い込まんと告白とか出来ひんやろ?せやから千歳にも協力してもらってんねん。

とりあえず、帰ろ。
こんなとこいても意味ないし。



生徒会室に踵を返し階段を降りて職員室の前を行こうとしたとき『失礼しました』とプリントを束にして持った女の子が扉から出て来た。


『あ、白石やん。今帰り?』
「あれ…生徒会室に居ったんとちゃうん?」
『生徒会室おるんは会計の子と書記の子やけど?』
「そうなん」
『ん、ほな。気ぃつけて帰りやー?部活お疲れ!』


彼女はそれだけ言い残して陸上部顔負けの素早さで階段を駆け上がった。

口から息が洩れる。
結局、会うことになってもうたやん…なんで素直に帰らへんかったんや俺…。



そして、開いた下駄箱からこぼれ落ちたラブレターの数にウンザリしながら帰った。




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