ヘタレと変態と変態
「そろそろ諦めた方がええと思うけど?」
「諦めるとかゆう選択肢あらへんもん!」
「ほなら早よ告白せぇやヘタレ。ほんでフラれろ」
「ヘタレちゃうわ!」
「告白せぇへんのやったら俺がもらうで?」
「何で白石がっ!!」
毒之さんかわええし優しいしみんな狙っとるん気付いてないんか?
そう言った白石は後ろの席である俺の机に頬杖をついとる。背もたれを足の間に挟んで呆れた顔でこっちを見るからたじろいでしまう。
「ぐ、具体的には…??」
「俺とか俺とか千歳とか財前とか俺とか謙也とか他の男子やな」
「お前が三回も出てきた気ィすんねやけど。」
気のせいやろーって瞼を伏せた白石は浅く溜め息を吐いた。
その時丁度ドアを横切った千歳が俺達に気付いて教室に入ってきた。
「恋バナでもしよっとね?」
「まぁな」
白石の隣の席に腰を下ろした千歳を横目に白石は謙也に視線をうつした。
「っちゅーかお前普段毒之さんでどんな妄想しとるん」
「なっ…!?ももも妄想とか…!!///」
「白石はどげん妄想ばしよっと?」
「俺か…?俺はな…」
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『あ、あのね白石君…その、もう我慢、できなくて…』
「しゃーないなぁ、ほなこっち来てくれへんと出来へんわ。」
『や、優しくしてね…』
「さぁ、どやろなぁ?多分それは無理やわ…」
『…!!あぁっ!!しら、いしくんっ…あぁっ、痛っ…いよぉ…』
ギシ…と軋むスプリング保健室のベッド。
その上には華。
そして少し興奮気味の白石。
『だめだめっ、やぁ…あ゙あ゙…』
よっぽど痛いのか華はシーツをぎゅう、と掴んで涙目で訴える。
「しっかり慣らさな大変やからな、もう少し我慢せな。」
『ひぅ…も、痛いっ…!!』
「元はと言えば毒之さんがちゃんと解さなかったからあかんのやろ…?」
『いっ、あぁあ「ストップストップ!」
「なんやねん、まだ妄想の途中やろが」
「お前なんちゅー事考えてんねや…!!」
「何て、足つって我慢できんくなって保健室に来た毒之さんを俺が治す妄想。」
「白石はほなこつ変態ばい…」
「鼻血出して聞いとるやつに言われたないわ」
「(そんな妄想やったんか…!!俺てっきり…)」
「謙也顔真っ赤やん」
「うっさいわボケ!」