分からん




確かに俺は両耳にピアス5つも開けとるから不良に見られるんは仕方ないかもしれん。

大抵のやつは俺の耳見ただけであんまり関わらんようにしとるし、毒之も例外やない。
でも他のやつより話しかけてくる。それは毒之が風紀委員やから。


『財前くん・・・あの、ピアス・・・』

毒之がもじもじと俺に目をあわせられないのかずっと足元を見て外してと呟いた。
なんか分からへんけど意地悪したなって「何?」言うたら下唇をぎゅっと噛み締めて『なんでもないです・・・』って言うた。

ほら、なんで黙るん?あれやろ?俺のピアス注意しに来たんやろ?
なんでそないな顔するん。俺なんもしとらんやんか。
俺は心の中で笑った。

俯いてどこかへ走って行った彼女の耳が少し赤かったのは気のせいだろうか。


周囲に気付かれないように浅く溜息を吐いてヘッドホンを耳にあてる。
騒音が消えて俺の好きな音楽がジャカジャカと鼓膜を震わせる。
テニス部の今日のおやつは善哉やったはずやな・・・早よ食べたい・・・


その日俺はおやつが善哉じゃないのに怒って謙也さんに嫌がらせをしたりして謙也さんでストレスを発散した。

なんやねん・・・
ほんま今日はよう分からん日や・・・



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -