おサボり
今日テストがあった。
けどあの子はいない。多分またサボリだろう。
どこいったんやろ…
休み時間に引っ付いてくる一氏を引き剥がしてウチは中庭を見に行くと、案の定イヤホンで両耳を塞いだ彼女は昼寝をしていた。
「またテストサボって。何してるん」
『ん…』
ウチの声で起き上がった彼女は眠そうに目をこすり欠伸をした。
その時ポロリと耳から落ちた片耳のイヤホンからは音は聞こえない。きっと音楽が終わっているのだろう。
『べつに…?』
「午後のテストは受けなあかんよ?」
『めんどくさい…』
はぁ、と不覚にも小さいため息をついてしまったウチを見て首を傾げる彼女。
この子は頭ええのにテストはサボる。
授業も気分で出たり出なかったり。
先生方はやれば出来る子なんになぁ…とため息を洩らしたり。
『なんか用事あった…?』
「なんもないで」
会話終了。
無口で自由で、どこかふわふわしとる子。
彼女の隣に座ろ思たら鐘がなってしもてウチは教室に戻った。