傷痕とか
『よぉ、千歳』
何してんだ?そう話しかけてきた男のような女は俺の顔をのぞき込むようにしてヤンキー座りをしちょる。
「昼寝ばい」
っていうか、パンツ見えとるけど…
ふーん。そう言って彼女は俺ん隣に寝転がった。
「毒之、絆創膏増えちょるけどまた喧嘩ばしよっと?」
『んー、まぁなー…でも私から手出したワケじゃないし?』
空に翳した掌を軽く握って腕に貼られた絆創膏を眺める毒之
「傷残ったらどうする気なん?」
『べーつに。良いんじゃない?』
翳した手を頭の後ろに持ってきて目を瞑る彼女の雰囲気から昼寝ではなく本当に寝るのだと悟った。
これ以上は話しかけなくて良いか。
彼女を簡単に説明すると不良。
喧嘩なんて日常茶飯事だし、お酒等も飲んでいるとか噂で聞いた。
授業もサボってはこうして俺の隣で寝ていたり。
一応女の子であるから心配はする。
傷が残ったらとか、男相手に…とか。
彼女は下手したらきっと、男よりも男らしいかもしれない。