俺の勘違いと彼女

「ほんまウザいわー。テニス部のマネージャーやからって何調子こいて白石くんらと仲良ぉしてんの?」
「忍足くんや千歳くんもあんたの事キモい思てんねんで?自分の立場考えぇや。」

ガン、とかドッとか鈍い音があたりに響くその音の中心に居るのは毒之華。
彼女はテニス部のマネージャーであるが故にファンの子達から虐めを受けていた。
教室でも独り。
テニス部のレギュラー陣の中で毒之が虐めにあってるんを知ってんのはきっと俺だけや。

他のクラスメートはみんな他人のフリ。知らん振りや。
たまにその虐めに荷担するどアホもおるし、平気で目立つ所に傷つけても「毒之って厨二病だからああいうのしてるらしい」とか意味分からん事言うて普通に思ってた子の印象までねじ曲げる粗悪ぶり。
毒之もなんも言わんし。


毒之はいつも独りや。

でも、弱音とかテニス部辞めたいとか一言も聞いたことあらへん。


俺は強い子なんやと勘違いしとった。



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