自転車に跨り、林檎姫の迷った場所へと急ぐ。
風を切る爽快感がなんともいえない。


確か○×会社はこの辺やったはず・・・

「なまえー!」
『あっ、林檎姫!』
「ほんまに堪忍!従兄妹ん家に行かなあかんかってんけど迷ってもうたわー」
『っちゅーかこっち来た事ないんやろ?なら仕方無いやん。とりあえずどこに行けばええのん?』
「○○ってとこなんやけど・・・」
『うんうん、因みに何時までに行かなあかんとかある?』
「ううん、ないで?」
『ほならゆっくりしてもええ?』
「ええけど、どないしたん?」
『や、なんか!』

自転車を走らせながら会話をしていると公園の前を通り過ぎようとしたとき、
「あっ、なまえ!休憩しよ!休憩!」

公園の前でスピードを落とした林檎姫がジュースおごるから!と笑いかけた。





ブランコに座ってジュースで喉を潤す。

『っちゅーか何でいきなり従兄妹の家に行く事んなったん?』
「それがなー、おじさんもおばさんもうちのこと凄く気に入ってもろたみたいで遊びにおいでって言われてん・・・」
『そら大変やな・・・その従兄妹ってうちの兄の友達・・・?』
「おん、翼くんやで。なまえはよく知ってると思うで?」
『覚えてない筈がないわ・・・あんだけ毎日のように家に来とったからなー』


「あっ、話かわるけどあんたの好きなアーティストおったやろ?外国の。」
『おん、どないしたん?』
「新曲出したみたいやで〜♪」
『えっ、ほんまに!?』
「おん、今曲入ってんねんけど聞く?」
『おん!聞く!』


カサ・・・と植え込みの影からこっちを覗いてるグリーンアイに私は気付かへんかった。








100525*紅羽
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