ココアは遊び疲れて寝てしまった。
遊んだ時にココアはなまえの事を色々教えてくれた。
なまえがモテモテであること、本人は天然で全然気付いていないらしいがなまえが美術部に所属していてコンクールなどでたくさん賞を貰ってくること、なまえが親の帰りをずっと待っているという事、ホントは捨てられた事、それをちゃんとわかっていること、泣きたいのに泣かないこと、なまえに兄が居ること、たくさん教えてもろた。
お風呂あがりのなまえのそばに行ったら抱き上げて膝にのせてくれた。
"にゃー…(なまえ…)"
俺の鳴き声はドライヤーによってかき消された。
なまえがドライヤーをかけている間俺は鏡の中のなまえを見つめた。
ほんまに別嬪さんや…モテるんも分かる気がするわぁ、これで天然て告白した方はかなり残念やな…
"にゃー、にゃー…(なまえ、淋しいなら俺が癒やしたるで)"
なまえはドライヤーを切って鏡を見つめて呟いた。
『ほんま、綺麗…やんな…』
鏡の中のどちらをみて呟いたのかは分からないが呟いた後俺の頬を撫でてくれた。
今はその行為に甘えておこう。
目を細めて喉を鳴らす。
寝る、と言ったなまえは別の部屋に俺を連れて行きベッドに横になった。
ここはなまえの部屋なんやろか…なんだか凄く男の子っぽい部屋だ。
俺は規則正しい寝息をたてるなまえのそばを離れて窓のそばに座った。
今夜は月が綺麗だ…
いつの間にか降っていた雨は止み、きれいな月が俺を照らし冷たいフローリングに影を落としていた。
"みゃあー"
100403*紅羽