授業だるすぎだ…次数学とかやってられるか!
授業は国語だけでいいんじゃボケ!私は国語が得意で、作文やら詩やらをコンクールに出せば必ず賞を取ってくるほどで、国語教師からの期待はすごい。まぁ国語だけだけど。
とにかく数学の嫌いな私は屋上にサボりにきた。



あ、ブログ更新しよう(笑)






タイトル「さぼたーじゅ」


今から屋上で授業さぼるー(´・ω・`)
授業だるすぎだし!
こんなに天気いいのになぁー
添付は屋上からの景色!キレイっしょ!(・∀・)b







ぱこん、とケータイを畳んで屋上の唯一日陰の出来る場所へと移動した。

んー、眠い…このまま寝てしまおうか…あ、予鈴鳴った。
予鈴と共に屋上のドアが開いて先生に見つかったかと思ったが屋上に来たのは同じクラスの財前光だった。首にヘッドホンを下げている

「……」
『あ、財前君もサボリ?』
「まぁ、そんなとこや」
財前君は片手に握っていたケータイに何かを打ち込みながら此方へ来た。


「隣、座んで」
『あ、うん』


私達は仲良く日陰を分け合った。

なにやら胸ポケットに入れていた音楽プレイヤーを操作してまた胸ポケットにしまった。
財前君は壁に寄りかかったまま目を瞑っていた。さっきいじってたケータイは既に彼のポケットの中で。
なに聞いてるんだろ?
私は自分のポケットにいれてあったチュッパチャプスの包みを開け口に含んだ。
そっと近付いてヘッドホンに耳を近づけた。
なんだかジャカジャカした音は聞こえるがよく分からない。ほんとに何聞いてるんだろう…
「近いんやけど」

『ひやぁ!…っごめん!』

うわぁめっちゃ恥ずかしい聞いてる曲勝手に聞こうとか何してるだ私は…
「何してたん?」

『あ、えと何聞いてるのかなって思って…』

少しどもってしまいながら答えたらなんだか余計に自分のしたことが恥ずかしいことに思えて財前君に背中を向けるようにして座り直した。

財前君の方から小さな溜め息が聞こえてきた。やばい、怒ったかな…

するといきなり両耳にジャカジャカとしたドラムやギター、ベース音が侵入してきた。
『わぁ…!びっくりした…財前君これ聞いてたの?』

「つまんないやろ?」

『ううん、なんかイイ。歌詞が無くても心に直接伝わるものなんだね…こんな凄いの初めて聞いた…』

「っ…」
財前君は顔を少し赤くして私に背中を向けた。

『あ、私なんか変な「それ、」

「オレが作ったんや…」

『嘘!まじで!?』

「嘘やない、ほんまや」

『すごーい!』

「も、もうええやろ!」
そう言ってヘッドホンを奪おうとする財前君にもう少しー!と言うと勝手にしろや…と言われた。

『財前君てなんでも出来るんだね、耳が幸せー』

「できへん。それに良い歌詞つけられんもん。てか耳が幸せってなんやねん、キショイわ」

『キショくないわ!…つけてあげようか?歌詞』

「は?」

『私の文才をナメたらアカンよ!万年国語100点なんだぞ!』

「そういやそうやったな」
てか知ってたんだ…フッと笑う財前君がなんだか凄くかっこよかった。

財前君にヘッドホンを返すと明日までに完成させてお前にデータ渡すわって言われてなんだか嬉しくなった。今まで誰かのために自分の持っている技術は使ったことが無かったから、自然とやる気が起きた。

「ケータイ光ってるで」

『あ、ホントだ。コメント通知だった(笑)』

そう、さっき書いた記事にコメントが来ていたのだ。いつコメントがついたのか確認すると私が記事を更新して数分後だった。コメントをくれた主はブログで仲良くなったヒカルだった。

コメントの内容は


奇遇やな、俺も屋上でサボリや。先客がおったけど(笑)
ナマエやったりしてな




ん…?ヒカル?財前、ヒカル…?光!?
ひとりで百面相をしている私を財前君ニヤニヤと笑いながら見ていた

『あの、財前君?』

「なんや?」

『まさかひかる?ブログのヒカルって財前君なん!?』

「気付くの遅いっちゅーねん遅すぎてキモいわ…」

『えええ!!!先に言ってくれても良かったのに!てかキモくない!』

「お前が屋上の写メなんか添付するから俺もサボりたくなったんやで?」

『私のせいか!?』

私のくわえていたチュッパチャプスの棒を引き抜いて財前君が怪しく笑った。

「曲聞いたんやから、お代は貰うで?」
『有料なのかよ!?てかそれ私が舐めてたあめ…』
躊躇いなく自分の口にチュッパチャプスをいれた財前君を見て顔が赤くなる。これ間接キスじゃないのかな?でもキスっていうよりディープキス的な!!!ああああ何してるん財前君!!!!

「ごちそーさん」

怪しく笑った彼は丁度鳴った授業終了を告げるチャイムと共に私の前から消えた。



『なんなん…絶対顔真っ赤や…財前君のアホ…!!』










((ホームルームに出ないと怒られるわ…))(お帰り苗字。うまかったで)(あんた鬼や…)(鬼とか…そんな酷ないわ)(じゃあ悪魔)(自分ど突かれたいん?)(むしろど突いてやりたいくらいやわ)






確信犯








100316*紅羽

財前は何をするにも仕掛けたりとか確信犯な気がしてならない(笑)
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