『ユーウージー君』

「なんやねん、キッショイわ」

『いや別に何も無いんやけど』

「無いんかい!」

コイツは用事も無いのに放課後、休み時間、いつも俺のクラスに来る。
ほんで話しかけて帰る。俺が部活しとる時はわざわざテニスコートまで来る。

『ユウジ君モノマネしてー』

「しゃーないわ、何すればええ?」

『んー…4組の松田くん!』

「『でっていう☆』どや!」

『うめぇー!!!』

俺がモノマネをすると名前はいつも腹を抱えて上手いと笑てくれる。
それがうれしいと感じる。別に特別な感情とかではなく多分純粋に嬉しいんやと思う。
やっぱりモノマネを褒められるのは嬉しい。

『あー、笑った!やっぱりユウジ君はモノマネ王子やね!』

「そんじょそこらのモノマネと一緒にすなや」

『なぁ、私のモノマネとか出来るん?』

「え……」


なんかここで出来たらちょっと変態っぽいなとかよくわからん焦りが出て来る
モノマネの基本は観察や、見て癖とか見つけてそれを真似る。
けどモノマネが出来るくらい集中して観察せなあかん。せやから出来るっちゅーことはそれだけそいつを見てるゆーことや。

……あかん、めっちゃ恥ずかしい。どんな舞台に立ってもどんな奴と試合をしても授業中滑っても恥ずかしいと感じた事なんてなかった。
わくわくといった感じでこっちを見つめられても困んねんけど…


『出来る?』

「出来ないわけ無いやろ!」

『じゃあ私の口癖言ってみて!』


こいつの口癖?あぁ、あれか


「『ほんまに早よ死ねばええのに。』どや!」

『おぉー!凄い!でもよく知ってるね、モノマネってよく観察しないとダメなんでしょ?』

「ばっ!あんなに休み時間たくさん来られたら流石に分かるわ!変なこと言うなや、死なすど!」

『ふーん、でも』


私ユウジ君の前でそれは一回も言ったこと無いけどなぁ、友達にしか言わんのに


名前の声が頭に響いて離れない。

きっと俺は、名前のこと…


「実は、知らないうちに目で追っとった…」

「けどそれはモノマネを完成させたかったからやと思…う…」

『ふーん、残念やなぁー』

「は?」

『私ユウジ君の事好きなのに』


にこやかにサラリと言う名前の顔を見る俺の目は今までにないくらい丸く、顔は赤いんやろな。
















今なんて言うた?





(ユウジ君が好きやって)(ほんまに?)(嘘ついてどうするん)(俺も好きかもしれん…)(かもてなんやねん)(気付いたら目で追ってるし気付いたら考えとるし名前が来なかったら淋しいし)(ユウジ君めっちゃかわええ。てか乙女?完璧にそれウチに恋してるやんか)(うっさい、死なすど)(死んでいいんだ?)(……あかん…)(ユウジ君かわええな)((なんでこいつこんな男前なん…))(部活終わるまで待っといてあげるわ)












100407*紅羽
乙女ユウジ!どうですか乙女!裁縫とかしながら名前さんの事考えてしくじるユウジ!萌え!
てか初ユウジ夢ですね、絵はたくさんかくのに!
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