ラケット、ユニフォーム、サンバイザー…。
完璧試合する人みたいだけど今は…体力テストという名の地獄特訓の開始地点です。



真威『はぁ〜、楽しみ♪』


紗弥香『いいね、能天気でいられて…』



私はあんまり四天宝寺中の人たちと会いたくないってのに…
なんなの、ほんと。



君彦「よく集まったな〜、諸君!これから、説明ばしてやるはんでな〜」


真威『ほんっと君ちゃんってバリ津軽弁で皆わかるのかな?』


紗弥香『…』


真威『…紗弥香?』



一瞬、アイツと目が合った気がした。
別に逃げてるわけじゃないけど…反射的に目を逸らしてしまう。
いつからだろう、こんなに自分に弱くなったのは…
ほんっと、自分に嫌気がさしてくる。



パンッ


紗弥香『!!??』



突然、隣にいた真威が私の前で手を鳴らす。
本当に突然だったから相当心臓の音がバクバクと。



紗弥香『っにすんのさ!』



思わず、大きな声を張り上げてしまう。
周りの人も当然こちらに視線を送る。
こんな視線の中、ヘラヘラ笑いながらこちらを見てくる真威。



真威『いや?別に何って訳じゃないけど?』


紗弥香『…喧嘩売ってんの?』



半ギレになる私。
なぜか頭に血が上ってくるのが自分でもわかる。



真威『…ね、紗弥香はさ、何しに此処にきたの?』


紗弥香『は?』



いきなりまじめな顔して聞いてくるもんだから一瞬拍子抜けな声が出た。
その質問はさっき颯先輩が祐也先輩にしてたもので…



紗弥香『…テニスに決まってんじゃん!!』


真威『本当にそう?
さっきから、名前呼んでも返事しないし…なんか別の事考えてんじゃないの?』



ウルサイ…



真威『ってか、真面目にヤル気ないならやめれば?
はっきり言って、テニスに私情持ち込まれるのは困るんだよね?』


五月蝿い。



真威『皆思ってるよ?
紗弥香がハッキリしないから…
ハッキリ言えばいいじゃん。
嫌なら嫌って、人間なんだからさ?
いつまでも甘えんなよな!!』


亞騎「おい、真威!言い過ぎや!!」


真威『亞騎兄ィだって思ってるんでしょ?
こんなにウジウジしてる紗弥香をウザイってさ?
言ってやればいいじゃん?
こんな紗弥香大っ嫌いだってさ!』


紗弥香『…っざけんな!!』


バキッ


真珠『先輩ッ!!』



気がついたら真威の事を押し倒して一発殴っていた。
真珠ちゃんなんか顔を青くしている。
他の人達は何がなんだか分からないような顔してた。



真威『殴って気がすむなら殴れば?
そんなことしても、何も起こらないけどね?』

紗弥香『ッ!!』


真珠『紗弥香先輩!!』


亞騎「真珠ちゃん!…俺が行ってくる。」



その場から逃げてしまった私。
もう、何もかも最悪だ。
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