男子高校生とヒミコちゃん





「おっ、あの娘可愛い」

始まりはそのタダクニの一言だった。



学校帰りのいつもの三人の横を通り過ぎたのは頭の右で長い髪を一つ結びにした同年代くらいの少女。制服から見ると真田東女子高。

「えーやだータダクニきもーいナンパー?」
「いやねこれだから今の男子高校生はー」
「何だよお前ら主婦か!?」

ヒデノリ、ヨシタケへのツッコミを終えたタダクニはもう一度彼女の後ろ姿を見る。

「ヒミコちゃんだな」
「なんで」
「よく見ろ!カバンにハニワのキーホルダーが付いてるだろ!ハニワといえば弥生時代だ」
「いやそんな理屈ないだろ」
「つうかハニワのキーホルダーって」

その時、ちょうどヒミコのカバンから携帯が落ちた。

「あ」




ひゅんっ



「「ヒミコちゃぁぁぁぁああん!!!」」
「って早!!何だよさっきまでさんざん人のこと言っといてめっちゃ反応早!!」

携帯が地面に落ちるか否かの速さでヒデノリとヨシタケが携帯目がけて雪崩れ込む。その様はまさに猛襲でタダクニさえ引き気味なくらい凄まじい。しかし二人の手は携帯に届かず、二人して地面に這いつくばる形に。そして…


「「あ」」
「…………」

ヒデノリとヨシタケが顔を上げるとちょうどそこには彼女のスカートの中が………

「………

(知らん俺は知らん!関係ない関係ない!)」

冷や汗ダラダラなタダクニは友人二人の現状に現実逃避しまくろうと必死。ヒデノリとヨシタケは停止中。そしてヒミコは……




「………こっ



こんのやろぉぉぉぉおおおお!!!」
「「ギャー!!!」」
















「ねえ、あんた痴漢されたってホントなの?」

東高のとあるクラスの朝。生徒会長りんごちゃん(仮)はヒミコに話しかけた。

「うーん、なんかただの誤解だったみたいだけどスカートのぞいたことは事実だからとりあえず


ボッコボコにしてきた」
「元モデルの発言とは思えない…」

りんごちゃんの手元にはタダクニ達をボコボコにした時と180度違う表情の可愛いヒミコちゃんが載ったファッション雑誌があった…。









そしてタダクニ宅では痣だらけの三人が…

「……知ってた?弥生時代って女王様が一番怖いんだって」
「あー逆らうと処罰ってやつ?」
「……怖いね」




男子高校生とヒミコちゃん




■あとがき
男子高校生の日常シリーズ開始しました。原作っぽくゆるーく、短めに行きたいと思います。更新率は期待せずに…(笑)
ヒロインのヒミコちゃんはりんごちゃんと同じ東高の生徒会メンバーで元モデルですごく可愛いという設定です。でも性格はアレです。


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