激闘の中





「津波だァ〜〜〜〜〜っ!!!」
「何て力だ……!!!まさに伝説の怪物!!!フッフッフッ」
「あああああ〜〜〜!!!」

マリンフォードに襲いかかる大津波。海兵達は圧倒されるばかりだ。まさにその力は世界最強…!!

「グララララララ!!!」

白ひげの力が襲う。すると、三大将の一人が動いた。

「…………」
「!!あいつ」

ベッキーが空に飛んだその男を見る。それは“青雉”クザンだった。青雉は両手を津波に向けると、その手から氷の線が引き、津波を一瞬にして凍らせた。

「“氷河時代<アイスエイジ>”!!!」
「!!!!」

大津波が凍りついたことでその脅威は消えた。白ひげはニヤリと笑って青雉を見た。

「青雉ィ……!!!若僧が……!!!」
「うわ。――止まった……!!!」
「ギャーギャー」
「……!!」

海兵達は一瞬の出来事に唖然とするしかない。青雉はすぐさま白ひげに向かって氷の一撃を放つ。

「“両棘矛<パルメザン>””!!!」
「!」

すると白ひげは大気にヒビを入れて青雉の氷の体を砕く。

「あらら」

砕けた青雉の体は湾内へ落ちるが…同時に湾内の海が全て凍りついた。

「湾内も全て氷に!!」
「船の動きを封じられた!!」

白ひげ海賊団のクルー達が凍りついた海面を見て呟いた。海軍達が一斉に砲撃を始め、モビーディック号を沈めようとする。それが戦闘の合図。

「さァ行くぞ」
「いい足場が出来た」
「おれ達の力を見せてやれ!!!」
「隊長達も出てきたぞ!!!砲撃を休めるなァ!!!」


モビーディック号から飛び出してくる多くの海賊達。その中には白ひげ海賊団隊長や白ひげ傘下の海賊達もいた。一方、海軍側も腕利きの海兵達が現れ、ついに激突の時。

「薙ぎ倒して湾内へ進めェ〜〜〜っ!!!」
「…とうとう…」

辛そうな顔のエース、その隣で戦場を見つめるセンゴク。

「始まったな…!!!」

これは歴史に刻まれる戦い。そしてベッキーは先陣を切って海兵達に向かっていった。

「“王女”を逃がすなァ!!!」
「ベッキー、ひたすら進めェェ!!!」

ベッキーを止めようと襲う海兵達を止める白ひげの仲間達。

「みんな!!!」
「ベッキー、行けェ!!」
「………」

それを見ていた“鷹の目”ミホークが背中から黒刀を抜いた。隣のドフラミンゴがたずねる。

「フフフッなんだやんのかお前…」
「推し量るだけだ…近く見えるあの男と…あの娘との我々の本当の距離を…」

ミホークが黒刀を一振りするだけで氷の海に一直線、強い衝撃波が飛んでいった。

「!!!」
「“鷹の目”!!!」
「パパ!!!」

一撃はまっすぐ白ひげに向かっていくが…







バキィン!!!

「止めた!!!世界一の斬撃を!!!」
「……」

ミホークの斬撃を止めたのは…

「3番隊隊長!!!“ダイヤモンド・ジョズ”!!!」
「ジョズ!!!」

ベッキーが叫んだ。体をダイヤモンドの硬さに変える能力者…ジョズの体は例え世界一の斬撃でも砕けることは無い。だが、すぐに次の攻撃。眩しい光が白ひげに向かってくる。

「“八尺曲玉<やさかにのまがたま>”」
「!!?」
「黄猿が来たァ――!!!」

三大将の一人、黄猿。ピカピカの実の能力者が白ひげに迫る。

「オイオイ…眩しいじゃねェか…」
「あっ…!!!」
(三大将の一人…!!パパが危ない!!)

ベッキーが咄嗟に振り返り、黄猿を止めようとするが…







ドドドドン!!!


「!!!!」

誰かが止めた黄猿の攻撃。海兵達は驚く。

「大将の攻撃を防いだ!!!」
「何だ!!?青い炎をまとってるぞ…!!!」
「…マルコ!!」

青い炎からニヤリと顔を出したのは…

「1番隊隊長!!!」
「マルコ!!!」
「いきなり“キング”は取れねェだろうよい」
「コワイねェ〜〜…“白ひげ海賊団”」

黄猿を止めたマルコ。ベッキーが思わず足を止めてそれを見ていると…

「はぁあっ!!!」
「!!!」

正面からの攻撃にベッキーは腰にさしていた刀を抜き、相手の攻撃を防ぐと弾き、間合いを取った。攻撃をしてたのは眼鏡を頭の上にさした黒髪の女剣士だった。そしてその隣にいる男…かつてルフィと再会した際に会った海兵だ。

「ここから先は遠さねェぞ、お姫さんよ…!」
「…!“白猟のスモーカー”!!」

刀を構え、スモーカーをまっすぐ見たベッキー。アラバスタで軽い小競り合いを起こした相手。たしぎはベッキーの刀をちらりと見る。通常の刀より少し短いが、その刃はかなり切れ味がよさそうだ。

(良業物…“鬼撫子”)

それはれっきとした業物の刀。彼女が最も嫌う、名刀が悪党の手に渡る代表例だ。

「お前を通す訳にはいかねェ!!“ホワイトアロー”!!!」
「“重蹴<ヘビートゥー>”!!!」

スモーカーが煙を放つと、ベッキーがスモーカーを蹴り飛ばす。それはスモーカーだけでなくまわりの海兵達も吹き飛ばすほど。

「スモーカーさん!?」
「チッ…」

ベッキーもまた覇気使い。それに加え、ベッキーの圧力をかけた足技は凄まじい力だ。

「相手をしてる暇は無い!!!」

ベッキーはスモーカーを飛び越えると走っていく。

「あっ!!」
「クソッ、逃がすか!!!」
(あんな面倒くさいのに構ってられないわ)

白ひげ海賊団と海兵達の闘いが続く中、轟音が響く。

「!」
「!!?」
「行けェリトルオーズJr.!!!」
「海軍の方陣を破れェ!!!」

現れた巨大な影。

「“国引きオーズ”の子孫だね…」
「これはでかい!!巨人族の常識を超えてる…!!!」

海軍側はその巨大な生き物に驚きを隠せない。ベッキーが振り返った。

「オーズ!!!」
「エーズぐんは優じいんだ絶だいに死なぜねェ」

低い声でエース救出を誓うオーズ。

「湾内への侵入を許すな!!!」
「奴らの突破口になるぞ!!!」
「キシシシシ!!!オーズの子孫!!?白ひげの傘下にいたのかァ!!!欲しい!!!アイツの死体が欲しい!!!」
「……」
「フッフッフッフッフッフッ!!!ウズいて来るぜ…」

七武海の面々が興奮を覚える。だが、オーズの存在が、戦争の新たな幕を開けるのだ。



激闘の中





■あとがき
オーズ登場!ベッキーとスモーカーはアラバスタにてエースと共に会っています。


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