包囲壁作動





白ひげがついにモビーディック号から飛び降りてついに参戦する。

「“白ひげ”が…!!!」
「……」

海軍達の前に立ちはだかった白ひげ。ニヤリと笑うその姿には威厳がある。

「オヤッさんに続けェ〜〜〜!!!」
「オヤジに道を開けろォー!!!」
「スクアードの奴………!!海軍にダマされてオヤッさんに刺したんだ…!!!こんな間抜けな事はねェ!!」

傘下の海賊の一人、ディカルバン兄弟が叫ぶ。

「――それは一体…!!どれ程辛ェ事だよ!!!」
「許さねェぞ『海軍』〜〜〜〜〜っ!!!」

湧き立つ海賊達。ベッキーとルフィも戦いを続ける。それを見てスクアードは嘆いた。

「…………!!おれは…何て事を……!!!すまねェオヤッさん……!!すまねェ……!!……エース!!畜生ォ…!!大好きなオヤッさんを……!!おれァ疑って……!!!」

その隣にいたマルコが言った。

「スクアード!!



泣く事が


報いる事かよい……!!」

「!」









ルフィが海兵を殴り倒した。

「――!!すげェなあのおっさん、刺されたのにっ!!」
「パパはあんなものじゃ死なないわ!!後方はパパに任せて!」
「…く…!!とにかく今はエースだ!!!」

向かってくる敵を全て殴り、蹴飛ばしていくルフィとベッキー。するとイワさんがジンベエに言う。

「ジンベエ!!アレをご覧ナサーブル!!いつの間にか敵は全員広場へ上がってるわ!!」
「んん…!!悪い予感しかせんわい――だがオヤジさんが動いた!!もう考えとる場合じゃない」

確かに海兵達は全員広場に上がっており、海賊達がいる氷の上にはいない。すると、巨人の海兵が白ひげに向かってくる。

「広場にゃ上げんぞ“白ひげ海賊団”!!!」
「!!?」
「ジョン・ジャイアントだァ!!!」
「うわあああ!!」
「!」

ジョン・ジャイアントの剣が振り下ろされるが、白ひげの薙刀が受け止める。

「!!邪魔だなおい…!!」
「ここは通す訳にはいかんのだァ!!」

白ひげが大気を掴むと、そのまま大気を動かす。途端に地面がグラッと大きくずれた。

「え…!!?バランスが……」
「わァ!!!」
「地面が傾く!!!」
「オヤッさんには近づくなァ〜〜〜!!!」
「うわァ」
「地震所じゃねェ!!!」
「島ごと海も!!!傾いてるんだ!!!」

まさに怪物の為せる技。マリンフォードは見事に傾き、バランスが崩れていく。それを見たドフラミンゴが高らかに笑った。

「フッフッフッフッフッフッフッフッ!!何てデタラメなジジイだよ!!!」

白ひげはトドメの一撃をジョンに食らわせ、圧倒的な力で倒した。ジョンを倒してのなお地震の力はとどまらず、処刑台までまっすぐ向かっていく。

「止まらねェ!!うわっ!!」
「ぎゃああああああ!!」
「やっちまえオヤジィ〜〜〜!!」
「処刑台に届くぞ!!!行け!!ぶっ壊せェ〜〜〜!!!」

地震が処刑台に届こうとした時…








「!!!」

突然、地震の力が消滅した。

「処刑台には当たっていない!!!何で逸れたんだ!?」
「あ」
「『三大将』!!!」

処刑台の前で力を消滅させたのは青雉、赤犬、黄猿の三大将だった。

「さっさと包囲壁張らねェからだ」
「お前の氷のせいじゃろうがい…!!!」
「オー…君が溶かせばいいよォー…!!サカズキ」






一方、地震によって海に落ちかけたルフィ。

「大丈夫!?ルフィ」
「あァ、ありがとうベッキー!敵も味方もねェのかあのおっさん」
「クルー達はわきまえて避難しとるわい!!」

ジンベエとベッキーによって助けられたルフィ。ベッキーが処刑台を見つめた。

(…三大将…)









海賊達は三大将に向かって突っ込んでいく。

「撃てェ!!!」
「構うな突っ込め野郎共ォ!!!」
「ウオオオオ」

高台から海賊達を見下ろす三大将。

「恐いねェ……」
「全員が相当お怒りだな……」





――その瞬間、青雉とベッキーの目が合った。

「!」
「…“青雉”」

実はこの二人は以前ある島で会っていた。後々、青雉が三大将の一人であると気付いたベッキーだったが…

「ベッキー!!邪魔がいなくなったぞ!!上に行ける!!」
「え、ルフィ!!」

ルフィはいきなり走り出して広場に手を伸ばして掴んだ。だがその瞬間、巨大な鉄の壁がいきなり現れたのだ。

「わ!!何だ!?」
「壁ェ!!?」

鋼鉄の壁は四方八方を囲み、海賊達を取り囲んでしまったのだ。

「囲まれた!!!」
「くそ!!ビクともしねェ相当な厚みだこの鋼鉄!!」
「さっきから言ってた“包囲壁”ってのはこの鋼鉄の防御壁の事か!!!」
「戦わねェ気かァ!!?海軍――――っ!!!」
「砲口が全部こっちを狙ってる!!」

包囲壁には穴が開いていてそれらすべてに大砲がある。つまり守りながら攻撃をする、海軍最強の作戦。ところが、これにはひとつ誤算があった。

「おいどうなってるんだ!!!完璧に作動させろ!!!」

すべてを囲んだはずが、オーズが倒れているところだけ包囲壁が作動しなかったのだ。

「…それが包囲壁があのオーズの巨体を持ち上げきれず…!!どうやら奴の血がシステムに入り込みパワーダウンしてる模様で…!!!」
(オーズ…お前……)

倒れていても、オーズの道は海賊達の道になる。

(勝機アリだ…!!)

白ひげの頭に浮かぶ言葉。だがセンゴクは次の指示を出した。

「締まらんが…!!始めろ赤犬…!!!」






その言葉と同時に赤犬が一歩前に出て、体をマグマに変える。そして両手を空に向ける…






「“流星火山”」




すると無数のマグマの拳が氷上の白ひげ海賊団を襲い始めたのだ。

「氷を溶かして


足場を奪え!!!」

「うわあああああ!!!」
「!!?」

今までにないほどの窮地。ルフィ、ベッキー、白ひげ…運命やいかに。



包囲壁作動

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