物置部屋へ向かうため、ロビーから廊下へ出る。
そこで緑は突然謎の不安感に襲われた。
例えるならそれは氷を丸ごと飲み込んだような、冷たい刃物を腹に刺されたような、そんな感覚だろうか。
嫌な予感がする。
緑はこの感覚を知っていた。
これが来る時は自分か、あるいは周りの誰かが危険に晒されるという予知の様なもので、小さな頃にはよくこの勘に助けられていた。
会場の方から何かを感じる。
自分に何か起こるのだろうか。それとも翡翠か……。
緑は物置部屋へ行く足を止め、会場へと続く扉の前に立った。
そして、ゆっくりと扉を開け、中へと踏み込んだ。




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