創作審神者あれこれ | ナノ
チキンレースポッキーゲーム【紅緋と和泉守の場合】

ポッキーゲーム…。
チキンゲーム扱いでやってるの見たなぁ…。
キスまでいったら引き分け、近づく中で、先にヒいて折った方が負けっていう。
(byフォロワーさん)

「5番の奴誰だ?」
「はーい!」
…ひと悶着あるもゲーム実行
お互い順調に食べ進めるも紅緋が一瞬兼さん美人だなぁなんて思った一瞬を、躊躇いと勘違いした和泉守が残りわずかになったポッキーを一気に食べきった。
少し乱暴に、やや薄めの唇が触れる。甘い甘い、チョコの味。
「っ!?」
「さ、これで俺もこいつも臆病者じゃねぇってことが分かっただろ?」
「さっすが強くてカッコいい流行の兼さんですね!」
「カッコいいよ兼さん!」
「だろ?」
「でもいきなり残りを食べちゃうからびっくりしましたよ」
「ああいうのは思い切りが大事なんだよ。一瞬の迷いが戦場じゃ命取りだからな」
((ポッキーゲームも戦闘なのか?))
「なるほどです。流石土方さんの刀ですね!改めて尊敬し直しました!」
「へへっ、まーな!」
得意げに笑う兼さんがおもむろに立ち上がった。
「さ、てと。少し喉が渇いたから水でも飲んでくる」
「甘いお菓子ですからね。いってらっしゃい」
((飲み物なら広間にまだまだあるだろ))
颯爽と出ていく和泉守の背を微笑ましく見守る広間の大人で聡い面々には見えていた。見事な黒髪から見えた耳がほんのりと朱に染まっていたことに。

厨に行く少し手前の曲がり角で和泉守は足を止めた。
「何なんだよ…」
そのまま背を柱に預けずるずるとしゃがみ込んだ。顔の熱を隠すように片手で口周りを覆うが、触れる自分の掌と、先程の感触が全く違うことを連想してしまう。
(前に茶菓子で出たましまろってのにそっくりだったな…)
柔らかで温かくて、甘い、
(っ!俺は何考えてっ)
「くっそ、あんなのただの遊びで割り切れたら苦労しねぇ」
それでも彼女の前では常にカッコいい自分で居たいのだ。
自分の初めての主を尊敬する、彼女の前では。

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