ふわふわあまい、こいするこころ

近侍で大切な初期刀の清光と、思いが通じ合ったのはつい数日前の事。まだ心がふわふわして、落ち着かない。でも、そう思ってるのは私だけみたい。
さっきから刀装を一緒に作ってるのに、前と変わらないし。むしろ、前よりもかっこよくなってる…!
真剣な表情で資材と向き合う清光。私は資材を準備し終えると隣に並んだ彼をじっと見つめる。
手入れの行き届いた指先。少し骨張ってるけど大きい、男の子らしい掌。艶やかな髪と、白くてきめの細やかな肌。…羨ましいなぁ。
「でーきたできたぁ!って、主?」
金の軽騎兵を机に置き、小首を傾げる姿は可愛い。
「どうかした?」
「清光は今日も綺麗だなぁと思って」
急に褒められたことに驚いたのか、きょとんと目を見開く清光。でもすぐにはにかむとありがとう、と言ってくれる。
よしよし、と頭を撫でてみれば、滑らかな黒髪。
「なに?俺撫でて楽しいの?」
「うん!」
「撫でるだけで、いいの?」
「へ?」
右手をやんわりと外されて、すぐに恋人繋ぎになった。手を重ねれば、やっぱり男なんだなぁって実感して心臓がドキドキする。あぁ、顔が熱い。
赤くなった顔を見られたくなくて少し俯くと、清光がポツリと呟く。
「…買物とか、散歩とか、行きたくないのかなーって。その…二人っきり、で」
「行ってくれる、の…?」
「っ当たり前じゃん!俺、審神者の彼氏、だし」
身体をこちらに向ける清光に、私も正面から向き合う。座布団の上に正座して、お互いの足が触れた。
そして直ぐにしなやかでしっかりした腕がそっと私へと伸ばされて…。
「たまには、俺に審神者を独占させて?女の子としての審神者を」
猫がじゃれ合うようにそっと額が合わせられた。触れあった部分から清光の熱がじんわりと伝わってくる。心も幸せで満たされていく。
「い、いつだって私は清光のこと考えてるよ?」
「俺も!審神者だーいすき」
「ふふふ、私も大好きだよ」
「もー、笑ってないで本気で考えて欲しいんだけど」
拗ねたような声だって、触れ合う温もりだって、全部全部大好きなの。
だから、お返事なんて、決まってるよ。
「勿論!」

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